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北陸・甲信越エリア 福井県

茶産地:越前市
銘柄:味真野茶
お茶の種類:煎茶(普通蒸し)、紅茶など

お茶の木の生垣「畦畔(けいはん)茶」
越前市味真野(あじまの)地区では、室町時代からお茶が栽培されていたと言われています。江戸時代から昭和初期にかけて茶業が栄えましたが、その後は後継者不足のためお茶の栽培は衰退していきました。
現在、共同の製茶工場が1軒ありますが、お茶農家は1軒のみになりました。
味真野地区には、畦畔(けいはん)茶と呼ばれるお茶の木が残っています。畦畔茶は、隣家との境を示す生垣や畑の仕切り、防風や土の流出防止のために植えられたお茶の木です。以前、味真野地区では、自宅にお茶の木を植え、自家用にお茶を作っていました。

越前市味真野地区 畦畔茶の名残のお茶の木(2018年9月)

味真野茶保存会
2011年に、福井県民謡の味真野茶もみ唄の普及と味真野のお茶の復活を目的に「味真野茶保存会」 が設立されました。
長年、詩吟をされてきた会長の福岡忠則氏が、味真野茶もみ唄を知ったことがきっかけで、仲間と共に保存会を立ち上げました。味真野茶もみ唄の普及のために、2010年から毎年、味真野茶もみ唄全国コンクールを開催しています(2020年はコロナ感染拡大の影響により中止、2021年は県内コンクールとして開催)。
YouTubeで検索すると、味真野茶もみ唄を聴くことができました。とても心に染みる唄です。

万葉の里味真野苑 旧谷口家前の茶畑(2018年9月)

現在、保存会の会員は約70名です。保存会が、万葉の里味真野苑と城福寺の馬場跡の茶園、耕作放棄地となった茶畑を引き継いで、管理しています。また、新たに約千本のお茶の木を植えました。
保存会の会員と地域の人々が、主にお茶の葉を手摘みし、煎茶と紅茶を作っています。煎茶と紅茶は、味真野公民館と万葉菊花園の売店で販売されています。煎茶はほどよい苦味があり、すっきり飲みやすいです。紅茶は苦味と渋味が少なくほのかな甘みがあります。

万葉菊華園 売店(2018年9月)

味真野茶の煎茶と紅茶(2018年9月)

城福寺の馬場跡の茶園
城福寺の馬場跡は、越前福井藩主松平家が、城福寺を参拝する際に駕籠をとめ馬をつないだ場所です。
城福寺には、国指定の名勝、枯山水の庭園があります。継体天皇ゆかりの花筐(はながたみ)桜を中心に作られた庭です。
福井藩主は、毎年城福寺を参拝し花筐桜を鑑賞するために、毎年城福寺を訪問していました。しかし、明治時代になり、越前松平家が東京に居を移すとともに、この行事は行われなくなりました。その後、馬場跡に、味真野特産のお茶の木が植えられました。

城福寺(2018年9月)

城福寺馬場跡の茶園(2018年9月)

福井の黒茶
三方(みかた)湖畔では黒茶が作られていました。

本記事で紹介しているお店や施設を訪問される場合は、事前にお店や施設のサイト等で営業時間をご確認ください。またイベント等についてもそのイベントのサイト等で実施状況をご確認下さい。コロナ感染拡大の影響により予約が必要な場合や休業、中止している場合があります。

サイトCHAMART内関連記事「日本のお茶の生産状況

お茶関連施設:
越前市万葉の里味真野苑
https://www.city.echizen.lg.jp/office/060/050/040/ajimanoen.html
福井県の文化財 城福寺庭園
http://info.pref.fukui.jp/bunka/bunkazai/sitei/meishou/jofukuji-teien.html

お茶のゆるキャラ:

焼き物:越前焼

参照:
城福寺馬場跡の茶園にある説明文
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版

キーワード:#味真野茶保存会 #味真野茶 #万葉の里味真野苑 #越前市

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