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中東・中央アジア

ミントの葉がいっぱいの甘いミントティー
モロッコでは中国産の緑茶にミントを入れたミントティーが多く飲まれています。ポットやガラスコップにミントの葉をたっぷり入れ、そして砂糖もたっぷり入れて飲みます。ミントがない場合やヨモギの葉を入れて飲むこともあります。
街中にはお茶を飲めるカフェがたくさんあり、気軽にミントティーが飲めます。

フェズ カフェのミントティー(2007年12月)

フェズの街中(2007年12月)

おもてなしにミントティー
家に来訪者があれば必ずミントティーでもてなします。また市場での値段交渉の時、ホッと一息つきたい時、日々の暮らしのあらゆる場面でミントティーが出されます。また出されたミントティーは飲み干すことが礼儀となっています。
チュニジア、アルジェリア、リビア、エジプト、サハラ砂漠に住むベルベル人やトゥアレグ人などの遊牧民の間でもミントティーが飲まれています。

フェズ カフェでミントティーやコーヒーを飲みながらのんびりする人たち(2007年12月)

ミントティーのティーセレモニー
モロッコでは、客人に対してセレモニーのようにミントティーを淹れもてなすことがあります。銀製やアルミ製の専用のティーポットに緑茶の茶葉、ミントの葉、砂糖を入れお湯を注ぎます。トレイに専用のガラスのグラスを置き、ティーポットをできるだけ高い位置からグラスにミントティーを注ぎます。これは、お茶に空気が混じりおいしくなるよう、高い位置から注ぎお茶の表面を泡立たせるためです。

東京飯田橋 モロッコ料理レストランタジンや (2019年9月)

3杯のお茶
シルクロード沿いの地域、中東、北アフリカでは来客をもてなす時や商談の時は、伝統的に3杯のお茶を飲んでいました。
3杯のお茶それぞれに意味があり、またその意味は地域によっても違います。
モロッコなど西サハラでは、「一杯目は人生のように渋く、二杯目は恋のように甘く、三杯目は死のようにやさしい」と言われています。

フェズ(2007年12月)

本記事の現地のお茶事情は、筆者(CHAMART)がモロッコを訪問した時の経験に基づきます。

サイト内関連記事「世界のお茶の生産状況」「2016年一人当たりのお茶の消費量

 参照:
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
Helen Saberi (2010), Tea A Global History: Reaktion Books Ltd.
ヘレン・サバリ(著) 竹田円(訳) (2014) お茶の歴史 TEA: A Global HISTORY 原書房
Louise Cheadle and Nick Kilby of teapigs. (2015), THE BOOK OF tea, London: Jacqui Small LLP
ティーピッグズ、ルイーズ・チードル、ニック・キルビー(著) 伊藤はるみ(訳) (2017) 世界の茶文化図鑑 The Book of Tea 初版 原書房
Jane Pettigrew & Bruce Richardson (2005), The New Tea Companion A Guide To Teas throughout the World: National Trust Enterprise Ltd, BENJAMINE PRESS
モロッコ料理レストランタジンや http://www.morocco-tajinya.com

#モロッコ #モロッコのお茶 #ミントティー

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*当サイトのコンテンツは、「日本のお茶」と「世界のお茶」の全てについて記載しているわけではありません。また、各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことが表現されています。