そばにいるお茶「寿すり(すすり)」と「悟くり(ごくり)」
へんげ茶師マルマサは、「そばにいるお茶」をコンセプトにお茶を作っています。
現在、へんげ茶師マルマサのオンラインショップでは、牧之原産の煎茶「寿すり」と「悟くり」を販売しています。
牧之原市では、深蒸し茶が多く作られていますが、「寿すり」と「悟くり」は普通蒸し煎茶です。
香りの強い品種「やまかい」の茶葉で作った寿すりは、香りとうま味をしっかり味わえるお茶です。香りや味などバランスが良い品種「やぶきた」の茶葉で作った悟くりは、ほどよい苦さがあり、日々の生活でごくごく飲めるお茶です。

煎茶 寿すりと悟くり(2022年6月)

チャオクル
オンラインショップでは、葉書サイズの袋に入った郵便で送れるお茶「チャオクル」も販売しています。チャオクルには「悟くり」が10g入っています。袋の裏面にはメッセージを書くことができ、切手を貼り暑中見舞いや年賀状としても使えます。

写真提供：へんげ茶師マルマサ
https://chashi-marumasa.shop-pro.jp/

へんげ茶師マルマサ
へんげ茶師マルマサとは、静岡県牧之原市坂部(坂口)の江戸時代から続く農家でお茶を作っている間渕明日香さんのことです。
明日香さんの高祖父が明治時代に茶業を始め、曽祖父の政雄さんが「〇に政 (マルマサ)」と言う屋号を掲げ、大正初期に木造の茶工場を建てました。政雄さんは、戒名に「茶」の文字がつくほど、お茶を愛して仕事をした人でした。
その後、マルマサとしての製茶業は廃業し、茶工場からは製茶機械はなくなりました。しかし、その後も先祖代々の茶畑を守りお茶栽培を続け、収穫した生葉を牧之原市内の製茶会社に販売しています。

大正初期に建てられた木造の茶部屋
写真提供：へんげ茶師マルマサ https://chashi-marumasa.shop-pro.jp/

2021年に明日香さんは、曽祖父の屋号「マルマサ」を復活させ「へんげ茶師マルマサ」として、お茶作りを始めました。茶畑、製茶工場、お客さんの前、どんな場所でどんな状況でも変化し、良い仕事ができる茶師を目指し、マルマサの前に「へんげ茶師」を付けました。

曽祖父の屋号「マルマサ」の焼印(2022年6月)

導かれるように茶業へ
明日香さんは、曽祖父の政雄さんを知る人から「お前はひいじいさんの生まれ変わりだ」と言われたことがあります。
家族や周囲の人たちに勧められたのではなく、明日香さんは自らの意思で茶業の世界に飛び込みました。
明日香さんは、石川県の大学に入学し文学部で学び、2016年に卒業しました。一般企業へは就職せず鹿児島県と静岡県の製茶工場で働き、お茶の栽培や製造方法を学びました。
「自分のお茶を作りたい」という気持ちが強くなり、2021年から家の畑で採れた茶葉でお茶を作り始めました。
製茶工場がないため、明日香さんは刈り取り時期が違う地域の製茶工場を、有料で借してもらっています。明日香さんは、家の茶畑で刈り取った茶葉をトラックでその製茶工場へ運び、自分で機械を操作し製茶をし、お茶を袋に詰め、販売しています。

写真提供：へんげ茶師マルマサ
https://chashi-marumasa.shop-pro.jp/

お茶が好き
急須を使い茶葉でお茶を飲む人が減り、以前と比べると茶市場でのお茶の卸価格が下がっています。そのため、明日香さんのお茶作りを心配する人もいます。

「お茶が好き。お茶に茶樹の品種、畑の土、製造方法、飲み方によって変化するお茶がおもしろい。お茶に関わる人たちの多様な考えに刺激される。お茶の個性を活かし、飲む人に寄り添ったお茶を作りたい。そしてお茶の楽しさを多くの人たちに伝えたい」

明日香さんのお茶への情熱は揺るぎません。
お茶の知識や手揉み製茶を学び、休みの日には、藤枝市の玉露農家で作業を手伝いながら玉露について教えてもらうこともあります。

藤枝市宮崎園 玉露茶園
こもかけを教えてもらう明日香さん(2021年4月)

「へんげ茶師マルマサ」のお茶を飲み、明日香さんのお茶作りへの情熱に触れ、明日香さんを応援する人が少しずつ増えています。

これまで明日香さんの家では、外部の人にお茶の栽培をお願いしていました。数年後には、明日香さんが栽培から製茶までを行い、へんげ茶師マルマサのお茶を作っていきます。

煎茶「寿すり」(2022年6月)

紅茶 嘉たりkitari (2023年11月)

住所：静岡県牧之原市坂部(坂口)
オンラインショップ：https://chashi-marumasa.shop-pro.jp/
Instagram：https://www.instagram.com/chashi_marumasa/
Twitter：https://twitter.com/chashi_marumasa