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関東エリア 群馬県

茶産地:桐生市、渋川市
銘柄:梅田茶、子持茶
お茶の種類:煎茶(普通蒸し)、ほうじ茶、粉末茶、紅茶

群馬県では桐生市の梅田茶、渋川市の子持茶が栽培され作られています。

梅田茶
桐生市梅田町では戦前から、多くの農家が自家用で飲むためにお茶を栽培し、またお茶の木を垣根として利用していました。梅田町は、山深い場所にあり清流が流れ、霧が発生するお茶の栽培に適した地域です。戦後、茶業が推奨され、お茶の木は在来種からやぶきたに植え替えられました。農業協同組合で製茶工場が建てられ、商業用のお茶も作るようになりました。しかし、徐々に茶業は衰退していきました。

桐生市梅田茶の茶畑(2019年9月)

ぐんま製茶(2019年9月)

引き継がれる製茶工場
2004年に農業協同組合が解散することになり、製茶工場を維持することが難しくなりました。その話を知った、桐生市の隣市に住む稲葉知幸氏が、梅田茶を守るために製茶工場を引き継ぎ、その後ぐんま製茶を設立しました。
現在も約150軒の農家がお茶を栽培しており、梅田茶生産組合もあります。梅田町で栽培されたお茶は、ぐんま製茶で製茶され、梅田のお茶として販売されています。

ぐんま製茶(2019年9月)

群馬桐生 群馬県産地100%使用 梅田のお茶(2019年9月)

梅田のお茶と桑茶
今後、お茶農家の高齢化により、お茶の製造だけでは製茶工場を維持していくことが難しくなるため、新たな事業として始まったのが、桑茶を作ることです。
桐生市は、昔から織物産業が盛んで絹織物は特産品でした。絹糸の原料となる蚕の餌は桑の葉です。桐生市には、状態の良い桑の木が残っており、そこで桑の葉を使い、製茶工場で桑茶を製造し販売を始めました。

ぐんま製茶 ぐんまの桑茶と梅田のお茶(2019年9月)
桑茶は緑茶タイプ、抹茶のような粉末タイプ、ほうじ茶タイプの3種類

お茶の葉で作ったお茶と桑茶は、似て非なるものです。梅田の煎茶はコクがあり濃厚な味がしますが、桑茶は苦味が少なくさっぱりしており、少しとろみがあります。抹茶のような粉末タイプの桑茶と砂糖と牛乳でラテにすると、くず湯のような味わいです(個人的な感想です)。
梅田の茶は、ぐんま製茶、梅田ふるさとセンターや桐生駅などで販売しています。

梅田のお茶 煎茶「きり」(2019年9月)

子持茶
子持茶は、渋川市旧子持村で作られてきたお茶です。煎茶だけではなく、数年前からは紅茶も作られるようになりました。
子持でも生産者の高齢化などにより、製茶工場を維持することが難しくなり、ぐんま製茶が子持の製茶工場を引き継ぎました。
子持茶は道の駅こもちで購入できます。

上州白久保のお茶講
群馬県吾妻郡中之条町では、毎年2月24日の氏神天神の宵祭りにお茶講が開催されてきました。上州白久保のお茶講は、乾燥したみかんの皮、甘茶、煎茶をほうろくで炒り粉にして4種類のブレンド茶をつくり、それぞれ飲んで当てます。1990年に上州白久保のお茶講は国の重要無形民俗文化財に指定されました。

*本記事で紹介しているお店や施設を訪問される場合は、事前にお店や施設のサイト等で営業時間をご確認ください。またイベント等についてもそのイベントのサイト等で実施状況をご確認下さい。コロナ感染拡大の影響により予約が必要な場合や休業、中止している場合があります。

サイト内関連記事「日本のお茶の生産状況

お茶関連施設:
ぐんま製茶 https://gunma-seicha.com
梅田ふる里センター http://park15.wakwak.com/~furusato/
道の駅こもち https://komochi.com

焼き物:渋民(しぶたみ)焼

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店

#梅田茶 #子持茶 #ぐんま製茶

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