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九州・沖縄エリア 鹿児島県

産地:南九州市、志布志市、霧島市、枕崎市、曽於(そお)市、鹿児島市、鹿屋市、日置市、錦江市、さつま町、薩摩川内市、屋久島町、大崎町、西之表市など
銘柄:鹿児島(かごしま)茶、知覧茶、頴娃茶、川辺茶、志布志茶、有明茶、霧島茶、枕崎茶、末吉茶、曽於茶、財部茶、かのや茶、ひおき茶、松元茶、田代茶、大根占(おおねじめ)茶、さつま茶、宮之城茶、種子島茶、屋久島茶
お茶の種類:煎茶(普通蒸し、深蒸し)、玉緑茶(釜炒り製、蒸し製)、碾茶、抹茶、かぶせ茶、玉露、ほうじ茶、玄米茶、番茶、紅茶、フレーバーティーなど

かごしま茶
鹿児島県は日本の主要茶産地で、種子島、屋久島を含めほぼ全域でお茶を栽培しています。
鹿児島県で作られるお茶は総称しかごしま茶に統一されましたが、知覧茶、霧島茶など地域ごとの銘柄もあります。

かごしま茶の歴史
鹿児島のお茶の由来は諸説あります。その一つは、室町時代に宇治の僧侶が湧水(ゆうすい)町の般若寺の住職を務めることになり、宇治から持ってきた茶の実を寺園に植え、製茶方法を伝えたというものです。

知覧茶
2007年に頴娃町、川辺町、知覧町が合併し南九州市が発足しました。これにより、南九州市は市町村別でお茶の生産量全国一になりました。2017年には南九州市の頴娃茶、川辺茶、知覧茶は、知覧茶に統一されました。

九州市 知覧特攻平和会館(2018年3月)

霧島市など県北部の標高が高い地域では浅蒸し茶、南九州市など県南部は深蒸し茶が中心に作られています。また普通煎茶も、よりうま味を出すために、茶摘み前に黒い化繊の被覆材でお茶の木を被覆する茶園が多くなっています。煎茶だけでなく、釜炒り製玉緑茶、蒸し製玉緑茶、碾茶、抹茶、かぶせ茶、紅茶などさまざまなお茶を作っています。

霧島茶と薩摩錫器の茶筒(2018年3月)

鹿児島県内には、お茶に関する施設、ティーハウス、カフェ、お茶料理をいただけるレストランなどが多数あります。

薩摩英国館 Tea World (2018年3月)
SEGOスコーンセット オリジナル知覧産紅茶「知覧の風」

大走り新茶
南国鹿児島県は温暖な気候に恵まれ、屋久島、種子島から始まり3月末期頃から新茶が採れる鹿児島茶は「大走り新茶」としていち早く市場に出回ります。

種子島茶生産組合煎茶(普通蒸し)(2018年4月)

機械化と省力化が進む鹿児島の茶業
鹿児島県は、南九州市、南さつま市、枕崎市や志布志市など平坦地帯に大規模な茶畑があり、機械化と省力化が進んでいます。

志布志市の茶畑(2018年4月)

茶ばっけん丘
知覧町の茶ばっけん丘に登ると、開聞岳と広大な茶畑を眺めることができます。
茶ばっけん丘から見る朝日と茶畑はとても幻想的です。

南九州市 高塚丘「茶ばっけん丘」から見える開聞岳と茶畑(2018年3月)

茶寿階段
南九州市頴娃町にある大野岳山頂へは108段の茶寿階段を登ります。大野岳山頂からは開聞岳が見え、眼下には茶畑が広がっています。

南九州市 大野岳公園茶寿階段(2018年3月)

茶節
南薩摩地方に位置する指宿市は、日本有数のかつお節の産地です。また南九州市をはじめこの地方はお茶の栽培も盛んです。
この地方には、お茶とかつお節と味噌を使った茶節という郷土料理があります。湯呑みに味噌とかつお節入れ、お好みでネギ、生姜、卵などを入れ緑茶を注いでかき混ぜ、朝食や小腹がすいた時に食べます。茶節は、二日酔いや疲労回復に効くと言われています。インスタントの茶節が販売されており、茶節の素をカップに入れてお湯を注いでかき混ぜれば完成です。

山川水産加工業協同組合 SUB SOUP 茶節

お茶料理
南九州市知覧町では薩摩茶美豚のお茶のしゃぶしゃぶがいただけます。薩摩茶美豚はお茶の成分(カテキン)とさつまいもが含まれた飼料を食べています。

さくら館 知覧茶御膳 (2018年3月)

志布志市にある堀口製茶・和香園が経営する創作茶膳レストラン「茶音(さおん)の蔵」では、お茶を使った創作料理をいただくことができます。メニューは季節毎に変わります。ランチのみで完全予約制です。

創作茶膳「茶音 雅」(2018年3月)

はんず茶
半洞(はんず)と呼ばれる水甕に茶葉を入れ、半洞を炉の上に置いて加熱しながら作る釜炒り茶で、日置市で作られていました。

静岡県の移住者が始めた種子島のお茶栽培
種子島の茶業と静岡の茶業は深い関わりがあります。
静岡県出身の牧野篤好が種子島の初代熊毛郡郡長として赴任しました。明治35年(1902)に篤好が退官し郷里に戻り、種子島が茶業に適していることを静岡県の茶業者らに伝え、種子島への移住を勧めました。そして、明治42年(1909)に静岡県旧小笠郡の人たちが種子島に移住し、山林を開拓しお茶の栽培を始めました。

種子島古田地区番屋峯集落移住百周年記念事業記念碑(2018年4月)

種子島古田地区の茶畑(2018年3月)

種子島と静岡県菊川市の「お茶の実」のモニュメント
静岡県菊川市の菊川公園に彫刻家・中嶋大道氏のデザイン「お茶の実」のモニュメントが設置されています。2010年このモニュメントはJR菊川駅前広場に設置されていましたが、2023年に菊川公園に移設されました。
種子島古田地区の番屋峯公民館の前には、小さいサイズの「お茶の実」のモニュメントが設置されています。これは、旧小笠郡から種子島への移住と茶業開始百周年を記念して、平成21年(2009)に設置されたものです。

写真左:静岡県JR菊川市駅前の「お茶の実」モニュメント(2019年6月)
写真右:種子島古田地区番屋峯公民館茶業百周年記念のモニュメント(2019年4月)

徳之島フイ茶
徳之島には、沖縄県のぶくぶく茶に似たフイ茶を飲む習慣がありました。フイ茶は茶桶に番茶を入れて泡立てますが、食べ物は入れません。

サイトCHAMART内記事「日本のお茶の生産状況」「博物館 & 公園 大野岳公園

お茶関連施設:
南九州市知覧観光協会 高塚丘「茶ばっけん丘」
大野岳公園と茶寿階段
英国薩摩館Tea World http://www.satsuma-eikokukan.jp
和香園 茶の創作料理茶音(さおん)の蔵
http://www.wakohen.co.jp/saonkura/saonkura.htm
さくら館、知覧茶御膳 http://www.chiran-sakurakan.com

お茶のゆるキャラ:
お茶むらい(南九州市)
茶ノミコト(霧島茶キャラクター)
鹿児茶丸(鹿児島県茶生産協会)
お茶わんこはがねちゃん(志布志市)

大野岳公園 お茶むらいの自動販売機 (2018年3月)

焼き物:薩摩焼

南九州市はお茶、そして平和の大切さを感じられる場所です。
知覧特攻平和会館
第二次世界大戦末期、知覧基地から爆弾を装備した戦闘機で敵の艦隊に体当たりする特別攻撃隊(特攻隊)が出撃しました。知覧特攻平和会館には、特攻隊員の遺影、遺品、遺書、手紙などが展示されています。

知覧特攻平和会館 (2018年3月)

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
高野實・谷本陽蔵・富田勲・中川致之・岩浅潔・寺本益英・山田新市 (2005) 緑茶の事典 (改訂3版) 柴田書店
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
鹿児島県 茶 http://www.pref.kagoshima.jp/sangyo-rodo/nogyo/nosanbutu/tya/index.html
鹿児島県茶生産地協会 http://www.kagoshima-cha.or.jp
鹿児島県茶業会議所 http://www.ocha-kagoshima.jp
CHIARAN TEA http://www.chirantea.com
ふるさと種子島 番屋峯集落移住百周年記念事業・種子島茶業百周年記念事業
http://www.furusato-tanegashima.net/tanegashima/nw/tyagyo-iju100-1.html
中村洋一郎(1998) 番茶と日本人 歴史文化ライブラリー46(第一版)  吉川弘文館
知覧特攻平和会館 https://www.chiran-tokkou.jp/heiwakaikan.html

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*当サイトのコンテンツは、「日本のお茶」と「世界のお茶」の全てについて記載しているわけではありません。また、各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなどが表現されています。

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