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中国・四国エリア 高知県

産地:仁淀川町、津野町、四万十町、大豊町、佐川町、香美市など
銘柄:土佐茶、碁石茶、池川茶、津野山茶、四万十茶、仁淀茶、沢渡(さわたり)茶など
お茶の種類:茶(普通蒸し)、ほうじ茶、番茶、紅茶、黒茶(後発酵茶)、釜炒り茶など

土佐茶
高知産の茶葉100%で作られたお茶は土佐茶と呼ばれています。仁淀川町の池川茶、津野町の津野山茶、四万十町の四万十茶など仁淀川や四万十川の上流の山間地で、普通蒸しの煎茶などが作られています。高知県の約80%の茶畑が10%以上の山の傾斜地にあります。

池川茶を使ったスイーツ (2019年2月)

碁石茶
大豊町で碁石茶と呼ばれる乳酸菌による後発酵茶が作られています。
碁石茶は、一次発酵はカビによる好気発酵、二次発酵は乳酸菌による嫌気発酵をする二段階の後発酵茶です(好気的カビ付け発酵後、嫌気的細菌発酵による二段階の後発酵茶)。
碁石茶は、東南アジアの山間部や中国雲南省から四国へ伝わったと言われています。碁石茶は、江戸時代から明治時代まで土佐藩の特産品でした。昭和に入り、過疎化と高齢化により生産者が減り、昭和五十年代(1975)に入り、生産者は小笠原家だけになりました。2010年に大豊碁石茶共同組合が設立され碁石茶を作っています。
2018年に碁石茶、石鎚黒茶、阿波晩茶は、「四国産地の発酵茶の製造技術」として「記録すべき民俗文化財」に指定されました。

大豊町の茶畑(2019年8月)

碁石茶は完全発酵のお茶で、たくさんの乳酸菌が含まれています。カビつけと漬け込み、天日干しを行います。特に8月の強い紫外線でしっかり3日間天日干しが必要になります。

大豊町 天日干しする前の碁石茶(2019年8月)

6月中旬から8月上旬にお茶の葉を枝ごと刈り取り、蒸し桶に入れ大釜で約2時間蒸します。
枝を取り除いた茶葉をむしろを敷いた榁(むろ)に約1週間寝かせカビ付けによる一次発酵(好気発酵)がされます。この時に、茶葉を両手でつかみ、茶葉を宙に舞い上げ、茶葉と茶葉の間に空間を作ることで発酵が進みます。
カビ付けした茶葉に大釜で蒸した時の煮汁を加え桶に漬け込みます。そして茶葉と同じ重量の重しを載せ、約2週間、乳酸菌による二次発酵(嫌気発酵)をさせます。
漬け込み後、茶葉を出し、専用の包丁で3から4センチ角の大きさに切り、晴天が7日続く日を待ち茶葉を干します。
切断した茶葉をむしろの上に並べ天日干している状態が、基盤上の碁石のように見えるため、碁石茶と名前がついたと言われています。

大豊町 天日干しをしている碁石茶(2019年8月)

碁石茶は乳酸菌特有の酸味と香りがあります。煮出し (やかんやなべで約1.5リットルの水で碁石茶ひとかけを約10分煮出す)、温かくても冷たくしても碁石茶だけで飲むのも、はちみつを入れたり、カルピスで割って飲むのもおススメです。

大豊町 道の駅大杉 碁石茶と碁石茶を使ったお煎餅と羊羹(2019年8月)

碁石茶

サイト内関連記事「日本のお茶の生産状況」「お茶の種類 碁石茶

お茶関連施設:
碁石茶博物館

お茶のゆるキャラ:

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
中村洋一郎(平成22年) 中村洋一郎のお茶しませんか 羽衣出版
高野實・谷本陽蔵・富田勲・中川致之・岩浅潔・寺本益英・山田新市 (2005) 緑茶の事典 (改訂3版) 柴田書店
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
大豊町碁石茶協同組合 http://514.or.jp
高知県 土佐茶に関すること
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/160701/2019062600125.html
土佐茶プロジェクト http://www.tosacha-pj.jp
津野ぶら 津野山茶のおいしい楽しみ方
https://town.kochi-tsuno.lg.jp/tsunobura/tea.html
霧山茶 http://www.kiricha.com
文化庁 報道発表 平成30年1月19日 文化審議会答申(重要無形民俗文化財の指定等)
https://www.bunka.go.jp/
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2018/01/18/a1400149_01.pdf

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