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TYPES OF TEA 世界中のお茶を紹介しています。 ※本サイトは、オンラインショップではありません。

黒茶

日本

バタバタ茶(日本富山県)

お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。

黒茶
後発酵茶

振り茶 (茶筅で泡立てて飲むお茶)
バタバタ茶は、富山県朝日町で昔から作られている、好気的カビ付け発酵の後発酵茶です。好気発酵は酸素のある環境下で発酵します。
バタバタ茶の生産者が減り、現在は朝日町の商工会議所が中心になり、地域の人々がお茶を栽培し、バタバタ茶を作っています。
産地:富山県下新川郡朝日町
茶葉の形状・色:お茶の葉の形が残っており、黒味がかった焦茶色で木の葉のようです。茎も含まれています。
水色:

風味・香りなど:微かな甘さがありシナモンのような風味(個人的な感想です)
製造方法:
1. 茶葉を刈る(7月下旬から8月上旬)
2. 茶葉を切る (刈り取った茶葉から太い枝を取り除き、茶葉を切断機で細かくする)
3. 茶葉を蒸す
4. 蒸した茶葉を揉む
5. 茶葉をムロに入れむしろで蓋をする。
6. 茶葉の発酵 (発酵ムロの茶葉の温度を65度以上にならないように、2〜3日に一度茶葉の切り返しを行い、約40日かけて好気発酵させる。茶葉の切り返しは合計10回程度行う)
7. 陰干しと天日干し (9月上旬に室から茶葉を出し、半日ほど陰干しをし、2〜3日天日乾燥させる)

朝日町 バタバタ茶の作り方 (2018年9月)

歴史:バタバタ茶の起源は古く、中国から黒茶が伝来したという言い伝えがあります。室町時代に「真宗本願寺第八世蓮如上人が文明4年(1427年)新川郡清水に堂宇を構え説法す」という記録があり、説法に伴いこの黒茶を仏様に備える供茶(くちゃ)として使ったと、考えられています。

バタバタ茶伝承館 (2018年9月)

飲み方:講(経典の講義をする会)、法事、月命日、結婚、出産などでご近所の人たちを招き、囲炉裏端で、バタバタ茶会を開くことが朝日町蛭谷集落の慣わしでした。
バタバタ茶の葉を木綿の袋に入れて、大鍋で煮出し、1杯目は仏様にお供えします。
五郎八茶碗と呼ばれる小ぶりの茶碗に煮出したお茶を入れ、二本一組になった細長い茶筅を上下にカタカタと鳴らしながら、お茶を泡立てます。好みで塩をひとつまみ入れることもあります。
手作りの煮物や漬物お茶請けに、ゆっくりと何杯もバタバタ茶を飲みながらおしゃべりをします。

朝日町 なないろKAN (2019年9月)

サイトCHAMART内記事「日本のお茶 富山県

参照: 
バタバタ茶伝承館のバタバタ茶の説明パネル
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
杉山 政則著 (2023) 発酵: 伝統と革新の微生物利用技術 共立出版
バタバタ茶伝承館のバタバタ茶の説明パネル
朝日町商工会 http://www.shokoren-toyama.or.jp/~asahi/
あさひ暮らし旅 バタバタ茶伝承館 http://www.asahi-tabi.com/asahimachi/262/
2019/11/21 Vol.12 山村で続く暮らしの文化バタバタ茶
http://www.asahi-tabi.com/sanpo/2019/11/21/2312/
なないろKAN https://www.asahimachi.com/nanairo/

*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。