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黒茶
日本
碁石茶(日本高知県)
お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。
黒茶
後発酵茶
碁石茶:高知県で昔から作られている、好気的カビ付け発酵後、嫌気的細菌発酵による二段階の後発酵茶です。好気発酵は酸素のある環境下で発酵し、嫌気発酵は酸素がない環境下で発酵します。
茶葉が黒い碁石のように見えることから、「碁石茶」と呼ばれるようになったと言われています。
産地:高知県長岡郡大豊町
茶葉の形状・色:黒みがかった茶色、一辺が約3cmの四角で厚さは約5mmです。
水色:透明、淡い茶色
風味・香りなど:強い酸味あり、乳酸発酵のツンとする酸っぱい香り
製造方法:
1. お茶刈り(葉だけではなく枝ごと刈る)
2. 茶葉を蒸す(刈り取った茶葉と枝を蒸し、桶に入れて大釜の上で約2時間半蒸す)
3. カビ付け・糸状菌による好気発酵(蒸した後、枝を取り除いた茶葉を、むしろを敷いたムロの中で約1週間寝かせる。茶葉を両手で掴み、宙に舞い上げ、茶葉を50から70cmの高さに重ねる)
4. 桶付け・乳酸菌による嫌気発酵 (茶葉を桶に入れ、蒸した時に出た煮汁を加え、重石を乗せて1週間寝かす)
5. 茶葉を切る(桶から茶葉を出し、一辺を約3cmの大きさに包丁で切る)
6. 天日干し(7日以上続く晴天の日を待ち、四角に切った茶葉をむしろの上に並べ、数日間乾燥させる)
歴史:碁石茶の由来は明確にわかっていません。地元には、東南アジアの山間部や、中国雲南省から四国へ伝わったという言い伝えがあります。碁石茶は、明治時代まで土佐藩の特産品でした。碁石茶は瀬戸内の島々へ出荷され、茶粥に利用されていました。昭和に入り、過疎化と高齢化により生産者が減り、昭和五十年代に入り、生産者は小笠原家だけになりました。2010年に大豊碁石茶共同組合が設立され、碁石茶を作っています。
2018年に碁石茶、石鎚黒茶、阿波晩茶は、「四国産地の発酵茶の製造技術」として「記録すべき民俗文化財」に指定されました。
その他:
大豊町道の駅大杉では、碁石茶や碁石茶を使ったようかんやおせんべいも販売しています。
おすすめの飲み方:
碁石茶はヤカンで茶葉を煮出して飲みます。ストレートで飲むだけでなく、夏は冷たい碁石茶と甘い乳酸飲料を混ぜて飲みのもおすすめです。
サイトCHAMART内記事「日本のお茶 高知県」
参照:
碁石茶 http://goishicha.jp
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
杉山 政則著 (2023) 発酵: 伝統と革新の微生物利用技術 共立出版
文化庁 報道発表 平成30年1月19日 文化審議会答申(重要無形民俗文化財の指定等)
https://www.bunka.go.jp/
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2018/01/18/a1400149_01.pdf
*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。