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TYPES OF TEA 世界中のお茶を紹介しています。 ※本サイトは、オンラインショップではありません。

緑茶

日本

ほうじ茶(日本)

お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。

緑茶
不発酵茶
ほうじ茶(焙じ茶)
ほうじ茶は、以前は下級煎茶や番茶の茶葉、茎を焙じて作っていました。ほうじ茶は、原料の下級煎茶、番茶や茎にカフェインが少ないため、煎茶に比べカフェインの量が少ないと言われていました。しかし、最近は、煎茶に使う一番茶や二番茶などの茶葉を使ったほうじ茶が増えたため、ほうじ茶に含まれるカフェインの量は煎茶とあまり変わりません。
茎だけを焙じた茎ほうじ茶もあります。
石川県で作られる茎の部分だけを焙じた加賀棒茶は、昭和天皇に献上されたことから「献上加賀棒茶」と呼ばれています。
また、奈良県をはじめ全国各地でほうじ茶で炊いたお粥「茶粥」が昔から食べられています。
産地:日本各地の茶産地
茶葉の色:茶色
風味・香りなど:焙じ時のこうばしい焙焼香と苦味がありますが、ほんのり甘味もあります。煎茶に比べアミノ酸が少ないためうま味はさほど感じないものの、すっきりした味わいです。
歴史:
江戸時代、屋敷の周囲や畑の境に垣根としてお茶の木が植えられていました。お茶の木から茶葉を摘み取り、鍋で葉を炒るか湯通して、ムシロの上で揉んで日干しにし乾燥させ、自家用のお茶を作っていました。飲む時に、お茶の嫌な臭いや味を取り除き、香ばしい香りを引き出し飲みやすくするために、火鉢の上で茶焙じと呼ばれる道具を使い、茶葉を乾燥し火入れをしていました。
江戸時代後期(1800年代)には、喜多川歌麿(1753-1806)が茶を焙じる女性を描いています。
明治時代(1868-1912)には、家庭で焙じ器でお茶を焙じて飲んでいました。焙じ器は木材の曲物に和紙をはめ込んだもので、この上に茶葉を置き火鉢の上で軽く焙じます。この頃、お茶の小売店が焙じ器を景品として顧客に配っていました。
大正時代(1912-1926)、日本のお茶が輸出されるようになり、選別された茎の部分は捨てられていました。そこで、ある茶商が茎の部分を焙じて、お茶の小売店に持ち込んみました。しかし、ほうじ茶は家庭で作って飲む習慣があったため、あまり良い反応を得られませんでした。
大正13年(1924)に、森永製菓が販売元になり、京都の七条七之介のほうじ茶を「宇治かほる」という商品名で販売することになりました。東京の6店の茶問屋を元売り店に指定し、東京の数千店ある森永製菓販売小売店で売り出すことになりました。それを知った東京のお茶の小売り販売店が、反対し2ヶ月に渡る紛争になりました。この経緯は吉浜代作の「茶とともに」という冊子に書かれています。このことがきっかけとなり、東京のお茶の小売店は、ほうじ茶を積極的に販売するようになりました。森永製菓のサイトの「森永製菓のあゆみ」のページには、「宇治かほり」のことが書かれています。
現在のほうじ茶を作るための焙煎機は、いつ誰によって開発されたのか、詳細はわかっていません。

飲み方:高温のお湯でさっと淹れます。

CHAMARTのおすすめ:
ほうじ茶はミント、ミルク、チーズとの相性が良いです。
夏はミント入りのほうじ茶、冬は黒胡椒を入れた茶葉とミルクで作るほうじチャイやチーズほうじ茶リゾットなど、いろいろな飲み方や食べ方があります。
チーズほうじ茶リゾットは、粉末ほうじ茶で作ることはあまりおすすめしません。

写真上左:ほうじ茶チーズリゾット 右:ミントほうじ茶
写真下左:ほうじ茶ミントゼリー 右:黒胡椒ほうじチャイ

参照:
KUAS 京都先端化学大学 学術リボジトリhttps://kyotogakuen.repo.nii.ac.jp
西村俊範, “江戸後期庶民のお茶” 人間文化研究37 (2016-12-10), P91-118

文化庁 文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/index.php
茶を焙じる女
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/heritagebig/408324/1/1
社団法人農山漁村文化協会編(2008) 茶大百科I歴史・文化/品質・機能性/品種/製茶 第一刷 社団法人農山漁村文化協会編
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店
日本茶業学会茶の科学用語事典(第3版)編集委員会(2021) 茶の科学用語事典(第3版) 日本茶業学会 大日三協

*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。