MENU

TYPES OF TEA 世界中のお茶を紹介しています。 ※本サイトは、オンラインショップではありません。

緑茶

日本

手揉み茶(日本)

お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。

緑茶
不発酵茶
手揉み茶:手揉み茶は、機械を使わずに、手作業で作るお茶です。蒸籠で茶葉を蒸し、ほい炉の上で手で茶葉を揉みながら乾燥させ、製茶して作ります。釜炒り茶の場合は、釜を使います。
ほい炉は手揉みで製茶する時に使う製茶用器具です。木製の台の上に和紙を貼り、台の下には木炭、電熱、ガスなどの熱源を置いて、台を温めます。
産地:日本各地の茶産地
風味・香りなど:うま味が強く程よい苦味と甘味があります。
歴史:江戸時代1783年に、宇治田原の篤農家永谷宗円(1681-1778)が茶葉を蒸して揉む「青製煎茶製法」を発明しました。そして「宇治式揉み切り」と呼ばれる製法が開発され全国各地に普及しました。また「こくり」など新しい技術が開発され、地域ごとに手揉み製茶法の流派が生まれました。
明治時代(19世紀末)に、製茶機械が開発されるまでは、手揉みでお茶が作られていました。製茶機械には手揉みの技術が応用されています。

2016年 世界お茶まつりで
天下一製茶法の手揉み茶(2016年10月)

多くの茶産地に手揉み保存会があり、手揉みの技術を継承しています。
手揉みでお茶を作る場合、約6時間以上かかります。手揉み製茶は、熱を発するほい炉の前で中腰になり茶葉を揉み続けるため、腰に負担がかかります。

掛川茶手揉み保存会(2018年8月)
上段左端から 茶葉を蒸して冷ます→葉振い→回転揉み(軽回転)
下段左端から 回転揉み→回転揉み(重回転)→中上げ(ほい炉の掃除)

掛川茶手揉み保存会(2018年8月)
上段左端から たま解き→ほい炉に茶葉を戻す→揉み切り
下段左端から でんぐり→こくり→乾燥

手揉み製茶の順序
蒸し(約15〜30秒):蒸籠で茶葉を蒸す。
冷やす蒸し(約30秒):茶葉に空気を入れ冷やす。
葉振い(約20〜40分):蒸した茶葉を手で軽く叩きながらほい炉に落とし、水分を蒸発させる。
回転揉み(軽回転)(約30〜40分):ほい炉の上で茶葉を軽く両手で素早く転がす。
回転揉み(重回転)(約30〜40分):ほい炉の上で茶葉を力を入れて両手で素早く転がす。
中上げ・ほい炉の掃除(約10〜20分):ほい炉から茶葉を取り出し、ほい炉の掃除をする。
玉解き:固まった茶葉を解き、茶葉をほい炉に戻す。
揉み切り(約30〜50分):両手を伸ばし前後に動かしながら、茶葉を切り伸ばすように揉む。
でんぐり揉み(約30〜40分):ほい炉の上で、茶葉の向きを両手で揃えながら丁寧に揉む。茶葉は細長い形状になる。
こくり(約30〜40分):両手で茶葉を握りながら強く揉み、茶葉の形状を整える。
乾燥(約30〜40分):ほい炉に茶葉を広げ乾燥させる。茶葉の真ん中に穴を開け水分を飛ばす。
*工程や時間は流派や地域によって少しずつ違います。

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
日本茶業学会茶の科学用語事典(第3版)編集委員会(2021) 第3版 日本茶業学会 大日三協

*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。