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TYPES OF TEA 世界中のお茶を紹介しています。 ※本サイトは、オンラインショップではありません。

緑茶

日本

碾(てん)茶 (日本)

お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。

緑茶
不発酵茶
碾茶は抹茶の原料です。碾茶を石臼などで挽き、細かい粒子の粉末状にしたものが抹茶です。
碾茶は玉露茶園と同様に、新葉の摘み取り前の約3週間、寒冷紗と呼ばれる黒色の被覆材、葦(よし)で編んだよしずや、稲わらで編んだこもで茶園全体を覆います。茶園を被覆材で覆い日光を遮断することで、茶葉の苦味成分であるカテキン類の増加が抑えられ、うま味成分のアミノ酸が多くなります。
碾茶と玉露の栽培方法は同じです。碾茶はやわらかい新葉のみを摘み取り、茶葉を蒸した後は、煎茶や玉露のように揉まずに乾燥します。
碾茶の茶園のよしずや、こもによる被覆の由来は諸説あります。その一つは、新芽が出る季節の霜除けという説です。また、抹茶は一部の特権階級の人々にだけ飲まれており、そうした高貴な人々が飲む抹茶は自然なままでは良くないためという説もあります。

木版画 被覆茶園 作者不明 (CHAMART所蔵)

産地:京都府宇治、愛知県西尾市、他日本各地の茶産地
風味・香りなど:碾茶の茶葉は、磯や青海苔に似た独特の香りがします。これは、茶葉を摘み取る前の約2〜3週間ほど、茶園を被覆することで生まれる「覆い香」です。碾茶の茶葉は、平でパリパリしていますが柔らかいです。茶葉に塩をまぶしてご飯の上にのせて、ふりかけとして食べることができます。
碾茶の浸出液は、煎茶や深蒸し茶に比べうま味は強くなく、あっさりした味わいです。

京都府宇治田原町
寒冷紗が設置された茶畑 (2018年10月)

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第日本茶業学会茶の科学用語事典(第3版)編集委員会(2021) 茶の科学用語事典(第3版) 日本茶業学会 大日三協
工藤佳治主編者(2007) 中国茶事典(初版) 勉誠出版
農協研究機構 (研究成果)抹茶の定義に関する技術報告書がISOより発行
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nifts/152224.html#yogo1
ISO/TR 21380:2022 Matcha tea — Definition and characteristics
The International Organization for Standardization (ISO)
https://www.iso.org/standard/80777.html

*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。