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黒茶
東アジア
雲南七子餅茶(中国)
お茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、黒茶の6つに分類されます。本サイトでは、CHAMARTが出会ったさまざまなお茶を紹介しています。
黒茶
後発酵茶
普洱(プーアル)熟茶(Pu’er shu cha):プーアル茶には熟茶(ripe tea)と生茶(raw tea)があります。熟茶は人工的に茶葉を発酵させたもので、生茶は時間をかけ自然発酵させたものです。プーアル茶は年数が経つとともに味が良くなると言われ、年代物のプーアル茶には大変高価なものもあり「生きている骨董品」「飲む文化財」と呼ばれています。
雲南七子餅茶 (Yunnan qizi bing cha):餅茶は緊圧茶(固形茶)の一つで、茶葉を円盤型に固めています。餅茶は雲南省のプーアル茶が有名です。七子餅茶の名前の由来は、七つの餅茶を竹の皮に包んだことです。1つの標準的なサイズは直径20cm重さは357gです。茶馬交易の際に馬がお茶を運びやすくするために、この個数とサイズになりました。詳しくは本記事下部の「茶馬交易と餅茶のサイズ」をご一読下さい。
産地:中国雲南省
茶葉の形状・色:茶葉は長く撚りがあり黒褐色です。年数が経つほどに黒みを帯びます。
水色:赤みがかった深みのある褐色
風味・香りなど:カビ臭く土のような独特な香りがします。また味は濃厚で、苦味のあるプーアル茶独特の味です。熟成するとマイルドな味わいになります。じっくり味わうとほのかな甘さを感じることができます。
淹れ方:
1. 目打ちのような普洱茶針などで、餅茶を3〜5g削り茶葉を用意します。
2. 茶壺(急須)にお湯を入れ、そのお湯を茶杯(湯呑) に注ぎ、茶壷と茶杯を温めます。
3. 削った茶葉を茶壺に入れ、熱いお湯を注ぎ淹れたお茶を捨てます。
この一煎目のお茶を捨てる工程を「洗茶」と言います。保存期間が長い黒茶は一煎目を捨てることで、味をスッキリさせ、茶葉を開きやすくします。
二煎目から茶杯に入れて飲みます。
抽出時間は数十秒〜1分程度で、自分の好きな濃さに淹れて下さい。
歴史:
餅茶を作るには、茶葉を布で包み重石を乗せ、その上に人が乗り円盤型に整形します。
茶馬交易と餅茶のサイズ:
唐代8世紀より、中国の西南域のお茶と新疆ウィグル地区の馬を交換する、茶馬交易が行われていました。その後、交易はチベットへと広がり、お茶はチベットの馬とも交換されました。
人々は重い荷物を背負い、馬に茶葉を乗せ、険しく細い山道を行き来する茶馬交易の旅は、とても過酷でした。人や馬が命を落とすこともありました。
馬がお茶を運びやすくするために、円盤形に茶を固め1個357gにしました。餅茶7個を竹の皮で包み紐で縛ると一つ2.5キロになります。一包み2.5キロのお茶を12包ずつ馬の背中の左右に振り分け、馬に合計24個、合計60キロ運ばせました。馬が1日に運べる荷物の重さは60キロだからです。茶馬交易により、餅茶の標準サイズが決められました。茶馬交易は20世紀まで続きました。
サイト内関連記事「世界のお茶 中国」
参照:
工藤佳治、兪向紅 著 中国茶図鑑(2017) 第6版発行 文春新書
工藤佳治主編者(2007) 中国茶事典(初版) 勉誠出版
国際共同制作NHK/KBS(韓国) 茶馬古道 もう一つのシルクロード NHKエンタープライズ 2009
*本サイトでは、CHAMARTが実際に飲んだお茶を紹介しています。各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなども表現されており、記事内のお茶の全てを表すものではありません。