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本記事の執筆・写真撮影:チャイ専門店 茶窓 木下純平
茶産地:バトゥミ (Batumi)、チャクバ (Chakvi)
お茶の種類:紅茶、緑茶など
紅茶からコーヒーへ
ジョージアは黒海の東に位置する、旧ソビエト連邦の構成国だった国です。
お茶よりもコーヒーがよく飲まれており、コーヒーは煮出して作ります。しかし、1980年代頃までは紅茶がよく飲まれていました。現地の人の話では、サモワールで紅茶を淹れ、ロシア式にジャムを食べたり舐めながら紅茶を飲んでいたそうです。注1 サモワールは二段式の保温機能を持つお茶専用湯沸器です。下段が卵型のタンクになっており、炭や石炭などでお湯を沸かします。タンクの上には紅茶を入れたティーポットを置きタンクの蒸気で保温します(現在は、電気式のサモワールが主流です)。
現在ジョージアではコーヒーを飲む人が多いですが、もちろん紅茶を飲むこともできます。またスーパーマーケットにはティーバッグの紅茶だけでなく緑茶も売られていました。
筆者がジョージア西部にある黒海沿岸の都市バトゥミ(Batumi)を訪れた時、食堂でトルコなど中東地域で使われているチューリップ型のグラスで紅茶を飲ことができました。
黒海西部沿岸でのお茶の生産
黒海西部沿岸のバトゥミ(Batumi)やチャクバ(Chakvi)でお茶を栽培し作っています。
ジョージアでは、ロシア帝国領だった19世紀後半にお茶の栽培と生産が始まり、ソビエト連邦の構成国時代にはモスクワなどへ輸出されていました。
隣国トルコでは、ジョージアからお茶の生産技術が導入されお茶の生産が始まりました。
近年、ジョージアではお茶の生産量は低下しています。(注2) 筆者が2010年にチャクバを訪問した時、多くの茶畑は雑草が生え荒れた状態でした。現地の人たちの話によると、製茶工場が稼働するのは年に3ヶ月程度とのことでした。
ジョージアのお茶を紹介するミュージアム
バトゥミにあるノベルブラザーズバトゥミテクノロジカルミュージアム(Nobel Brothers Batumi Technological Museum)の2階では、ジョージアのお茶について紹介をしています。
昔の製茶工場の絵や出荷用に梱包されたお茶、お茶の製造方法を伝えた中国人技術者の写真などが展示されており、ジョージアのお茶の歴史を知ることができます。
記事執筆・写真提供:チャイ専門店 茶窓 木下純平 https://www.chasou.com
本記事の現地の喫茶事情は筆者の2010年8月23日~9月12日における調査に基づきます。
サイト内関連記事「世界のお茶の生産状況」「2016年一人当たりのお茶の消費量」
注1:筆者による現地トビリシで当時70代の女性への聞き取り(調査期間2010年8月23日~9月12日)
注2:
The Food and Agriculture Organization of the United Nations
http://www.fao.org/home/en/
FAOSTAT http://www.fao.org/faostat/en Tea
参照:
Geogian Travel Guide
https://georgiantravelguide.com/en
Nobel Brothers Batumi Technological Museum
https://georgiantravelguide.com/en/nobel-brothers-batumi-technological-museum
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