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茶産地:ギラン(Guilan)州、マーザンダラーン(Mazandaran)州
お茶の種類:紅茶、緑茶
一日のはじまりは甘い紅茶から
イランの一日はお茶で始まります。砂糖をたっぷり入れた紅茶と共に朝食をいただきます。仕事中、食事の後、就寝前にもお茶を飲みます。イランにはチャイハネと呼ばれる伝統的な喫茶店が多くあり、人々はおしゃべりをしたり、水タバコを嗜みながらのんびり紅茶を楽しみます。
また、イランでは客人に対しお茶を淹れるために、家だけでなく職場にもお茶を沸かすためのやかんや2段式のティーポットサモワールがあります。
サモワールはトルコのチャイダンルックと同様に、上段のポットで茶葉を煮出し下段のポットでお湯を沸かします。上段のポットから注いだチャイが濃い場合は、お湯で好みの濃さにします。
紅茶とサフランナバット
イランのカスピ海沿岸のギラン州やマーザンダラーン州でお茶が栽培されています。イラン産の紅茶だけでは供給が追いつかないため、アジアやアフリカからも紅茶を輸入しています。
ガンドと呼ばれる硬い砂糖の塊やサフランナバットと呼ばれるサフラン入りの角砂糖を口に含みながら紅茶を飲みます。カルダモン、シナモン、ダマスカスローズの花弁、サフラン、デーツ(ナツメヤシ)などを紅茶に入れて飲むこともあります。
イランの茶の父、モハンマド・ミールザー
イランにお茶が伝わったのは15世紀後半で中国からシルクロードを通りお茶が伝わってきました。
イランでお茶が栽培されるようになったのは19世紀後半です。外交官としてインドへ派遣されたモハンマド・ミールザー・カーシェフォッサルタナ (Haj Mohammad Mirza Kashef Al-Saltaneh)はお茶の栽培方法を学び、当時インド国外へ持ち出しが制限されていたお茶の木を密かにイランに持ち帰りました。そして、ギラン州Gilanとマザンドラン州Mazandaranでお茶が栽培されるようになりました。
カスピ海に面したギラン州ラージャンLahijanにはイランナショナルティーミュージアムがあり、モハンマド・ミールザーの功績、イランのお茶の歴史、サモワールや茶器などが展示されています。また敷地内にはモハンマド・ミールザーの墓廟があります。
サイト内関連記事「世界のお茶の生産状況」「2016年一人当たりのお茶の消費量」「イランナショナルティーミュージアム (Iran National Tea Museum)」
参照:
Visit Our Iran www.visitouriran.com
Cornerstone of Iranian Culture: Tea
https://www.visitouriran.com/blog/cornerstone-of-iranian-culture-tea/
VisitIran https://www.visitiran.ir
Iran National Tea Museum
https://www.visitiran.ir/attraction/iran-national-tea-museum
Louise Cheadle and Nick Kilby of teapigs. (2015), THE BOOK OF tea, London: Jacqui Small LLP
ティーピッグズ、ルイーズ・チードル、ニック・キルビー(著) 伊藤はるみ(訳) 世界の茶文化図鑑 The Book of Tea (2017) 初版 原書房
ふじのくに茶の都ミュージアム編集(2019) ふじのくに茶の都ミュージアム研究紀要・年報2018
チャイ専門店茶窓 www.chasou.com
#イランのお茶 #イラン #チャイハネ
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