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本記事ご紹介しているマテ茶は、チャ/チャノキ(茶の木、学名: Camellia sinensis (L.) Kuntze)を原料とするお茶ではありません。オセアニア・北米 & 南米のお茶の一覧ページの南米のお茶の写真はマテ茶です。
本記事の喫茶事情部分の執筆・写真提供:チャイ専門店 茶窓 木下純平
茶産地(国):アルゼンチン、ペルー、エクアドル、ボリビア、エルサルバドル、ブラジル、コロンビア
お茶の種類:紅茶、緑茶など
南米最大の茶産地、アルゼンチン
ブラジルでは、1812年に最初にお茶の栽培が試されました。その後20世紀になり、ペルー、アルゼンチンなどでお茶が栽培され、商業的なお茶が生産されるようになりました。パラグアイでもお茶の栽培が試されましたが、商業的なお茶の生産には至りませんでした。
現在、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、ボリビア、エルサルバドル、ブラジル、コロンビアなどでお茶が栽培し生産されています。アルゼンチンは南米最大の茶産地です。注1
1930年代にドイツ人の入植者によりお茶が栽培され、1950年代になって本格的なお茶の生産が始まりました。アルゼンチンの北東部の高温多湿のミシオネス(Misiones)州とコリエンテス(Corrientes)州で、お茶が栽培されています。アルゼンチンで生産されたほとんどのお茶は、アメリカなどへ輸出されています。注2
人々の生活とともにあるマテ茶
南米全域ではマテ茶が日常的に飲まれています。マテ茶はマテの木の葉、茎、小枝から作られるお茶です。
マテの木は、モチノキ科の常緑高木で、学名はイレクス・パラグアイエンシス(Ilex paraguayensis)です。マテ茶は、茶の木(カメリアシネンシス)から作られるお茶ではありません。そのためマテ茶は茶外茶に分類されます。
マテ茶は、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイのイグアスの滝を中心とした半経500kmの地域で生産されています。製造方法によってグリーンマテ茶やローストマテ茶などが作られます。グリーンマテ茶は少し苦味がありますが爽やかな味わいです。ローストマテ茶は日本のほうじ茶に似ています。マテ茶は、ミントなどのハーブ、砂糖やミルクを入れて飲んだりもします。
人々は水やお湯の入った大きな水筒、マテ茶を入れるカップ、金属製のストローのボンビーリャを持ち歩いており、町を歩いているときも、バスや電車に乗っているときも、自前のマテ茶を飲んでいます。
日系人移住地で飲まれている緑茶
南米には日系移民の町がいくつもあります。パラグアイのイグアスの日系移民の町のスーパーには緑茶など日本の食材が売られています。また食堂では日本食を食べ緑茶をいただくことができます。
サイトCHAMART内記事「2019年世界のお茶の生産状況」「2016年一人当たりのお茶の消費量」
記事執筆「茶産地、お茶の種類、お茶の歴史」:CHAMART
記事執筆「人々の生活とともにあるマテ茶」「日系人移住地で飲まれている緑茶」:チャイ専門店 茶窓 木下純平 https://www.chasou.com
本原稿の現地の喫茶事情は筆者(茶窓)の2015年12月18日~2016年1月4日における調査に基づきます。
注1 & 2 (CHAMART調べ):FAOSTAT http://www.fao.org/faostat/en Tea
注2 (CHAMART調べ):FAO, Overview of TEA (Camellia sinensis) Chain in ARGENTINA
http://www.fao.org/fileadmin/templates/est/meetings/IGGtea21/Presentation-MarketReportArgentina.pdf
参照:
William Ukers, All About Tea Paperback, Lulu.com (publication 2017)
(Original edition: William Ukers (1935), All About Tea, TThe Tea and Coffee Trade Journal Company)
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
ティーピッグズ, ルイーズ・チードル+ニック・キルビー著、伊藤はるみ訳(2015) 世界の茶文化図鑑 原書房
Louise Cheadle and Nick Kilby of teapigs. (2015), THE BOOK OF tea, London: Jacqui Small LLP
荒木安正、松田昌夫著(2002) 紅茶の事典 初版 柴田書店
Jane Pettigrew & Bruce Richardson (2005), The New Tea Companion, London, BENJAMINE PRESS
*本記事でご紹介した情報が、変わっている場合があります。本記事に関して間違った情報、新しい情報、追加すべき情報などお気付きの点がありましたら、CHAMARTまでご連絡いただけると幸いです。
*当サイトのコンテンツは、「日本のお茶」と「世界のお茶」の全てについて記載しているわけではありません。また、各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなどが表現されています。