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石川忠久(著) 茶をうたう詩―『詠茶詩録』詳解

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茶をうたう詩―『詠茶詩録』詳解
石川忠久(著)
研文出版 2011年出版

茶詩とは、お茶を詠んだ詩です。
「茶をうたう詩―『詠茶詩録』詳解」は、著者が全日本煎茶道連盟の月刊誌「煎茶道」に、昭和56年から6年半(80回)に渡り連載した「詠茶詩録詳解」を一冊にまとめたものです。「詠茶詩録」は、天保10年(1839)に日本の漢詩人・館柳湾(たちりゅうわん)(1762-1844)によって編纂されました。著者は、「詠茶詩録」に基づき、全ての詩に訳文と解説をしています。中国の唐代から明代の263首と館柳湾の茶詩3首が紹介されています。
訳文はとてもわかりやすく、語句や詩人について詳しく丁寧に説明されています。そのため、読者はこの本を読むだけで、それぞれの詩の情景を想像することができるでしょう。
江戸時代の館柳湾から始まりこの本が出版されるまでに、どれだけの時間と労力がかったのだろうかと、感嘆の念を抱きます。

白居易(772-846)など多くの詩人が、お茶を礼賛し詩にしています。
李白(701-762)と杜甫(712-770)の茶詩はそれぞれ一首のみ記載されています。
お茶を飲むこと、新茶、茶園、茶摘み、製茶、臼でお茶をひくこと、お茶の淹れ方、茶釜、茶碗、友人が贈ってくれたお茶への感謝など、お茶に関するあらゆることが、優雅に美しく詩に表現されています。
唐代の李郢(りえい Liying)の「茶山貢焙歌」など、数は少ないですが、茶産地の生産者の厳しい状況を詠んだ詩もあります。

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