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NIPPONIA HOTEL 八女福島商家町(福岡県)
CHAMART

本記事は2025年12月26、27日訪問時の情報を中心に執筆しています。料金、車でのアクセスなどその他の情報、最新情報等は、NIPPONIA HOTEL 八女福島商家町のサイトでご確認ください。
住所:福岡県八女市本町西京町204
https://www.yame-fukushimastay.com/
日本の歴史、伝統、文化を体験できるホテル
NIPPONIAは、日本各地の里山、城下町、宿場町などに残る歴史的に価値のある建造物を改装し、その地域の歴史、伝統、文化を体験できる分散型ホテルを提供しています。

旧酒造屋敷と茶舗を改修したホテル
NIPPONIA HOTEL 八女福島商家町は、福岡県八女市福島地区にあります。
この地域は、17世紀初めに福島城の城下町として整備され、その後は商人と職人の町として栄えました。
江戸時代末期から昭和初期にかけて建てられた土蔵造りの町屋が今も数多く残り、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
このホテルは、元酒造の旧喜多屋別邸と旧大坪茶舗を改修して生まれました。
旧喜多屋別邸には、フロント、レストラン、バー、客室があり、ホテルの中心的な建物となっています。
そこから徒歩約10分の場所にある旧大坪茶舗は、もとは木材の商いを営み、昭和から平成にかけて茶舗として栄えました。旧大坪茶舗は二階建ての漆喰塗りの邸宅で、一棟貸しとなっています。かつて茶工場として使われていた1階には、蒸釜など当時の製茶機械がそのまま残されています。
旧喜多屋別邸のフロントでチェックインをすると、ウェルカムティーとお菓子が出てきました。
その日のお茶は、古賀製茶本舗「翠」八媛のかおりでした。

フランス料理と楽しむ八女茶
希望により、旧喜多屋別邸のレストラン「ルアン」で夕食をいただくことができます。
地元の食材を使ったフランス料理とともに、八女茶を味わえるコースがあります。
ティーペアリングでは、八女市星野村出身で、数少ない日本茶鑑定士の木屋康彦氏が、各料理に合わせてお茶を選定し、最適な浸出温度を設定しています。うま味、こく、苦味、そしてさわやかさが、それぞれの料理に寄り添うように引き出されています。
お茶は香りをより楽しめるよう、すべてワイングラスで提供されます。
40度で淹れた玉露と食前のお愉しみ
(玉ねぎのムースコンソメジュレ添えと糸島豚のリエットとグジェール)

70度で淹れた冠茶・星野さえみどりとオードブル・鰤のミキュイ 大根のデクリネゾン

80度で淹れた焙煎ほうじ茶・星之音とスープ・白菜のポタージュ

70度で淹れた煎茶・星野さえあかりとポアソン(魚料理)・福岡県産の蕪と鮮魚 白ワインと生姜のソース

80度で淹れた煎茶・大福茶とヴィアンド(肉料理)・博多和牛のグリエ 赤ワインソース

石臼挽き八女抹茶とデセール(デザート)・苺と八女茶のアンサンブル

コースの締めくくりは、抹茶とほうじ茶の小菓子と飲み物です。飲み物は紅茶やコーヒーを選ぶことができます。
淹れた後の茶殻もテーブルに運ばれ、茶葉の色や香りを間近で楽しむことができます。
茶葉はふんだんに使われ、コース料理で品数も多いのですが、お茶も料理も一品ずつ控えめな量で提供されるため、無理なく最後まで食事を楽しむことができました(感じ方には個人差があると思います)。

抹茶から始まる朝食
夕食同様、希望により旧喜多屋別邸のレストラン「ルアン」で朝食をいただくことができます。
朝の目覚めの一杯は八女抹茶。茶碗と茶筅で抹茶を点てます。

やまめの塩焼きやがめ煮(筑前煮)など、地元の食材を活かした料理が並びます。
お茶漬け用の薬味や香の物も用意されており、ご飯はお茶漬けとして楽しむことができます。
食後には、八女産の和紅茶と季節の甘味をいただきました。

八女の文化と伝統を感じる客室
客室には、茶香炉や茶器、八女茶などが用意されています。
香炉で八女茶の茶葉の香りを楽しみ、お湯を沸かして急須で八女茶の煎茶や和紅茶をいただくことができます。煎茶は、ホテルから徒歩5分の場所にある九州最古の茶商「矢部屋許斐本家」の茶葉でした。
また、室内には八女和紙のランプシェード、久留米絣、茶碗や木工製品なども設えられており、八女地方の伝統産業を間近に感じることができます。
また、九州各地の現代作家の陶芸作品なども室内に展示しています。

歴史的建造物に泊まる
このホテルは、ガラス戸や流し台など当時の趣をそのまま残し改修しているため、歴史ある建物ならではの風情を楽しめます。洗面台、お風呂場は、快適に過ごせるように現代的なスタイルに整えられています。一方で、断熱性や遮音性は現代建築ほど高くなく、ガラス戸からは隙間風が入ってきます。

旧喜多屋別邸の定員3名の客室は、2名がベッド、1名が和室に布団を敷く構成です。就寝時、ベッドルームは快適でしたが、和室は襖が完全に閉まらず、ガラス戸からの隙間風で肌寒く感じました。
また、客室からレストランへ向かう際には数段の階段があり、靴を履いて移動する必要があります。そのため、高齢の方や足元に不安のある方にとっては、やや不便に感じられるかもしれません。

時を忘れて場所を楽しむ
客室には、時計もテレビもありません。
建物を囲むように、手入れされた美しい中庭があり、室内からその中庭を眺められるお部屋もあります。

客室では、まずお湯を沸かし、急須で八女茶を淹れて、ゆっくりと味わいながらひと息つきます。
そのあとは、ホテル周辺をのんびりと散策してみるのもおすすめです。
周囲には、今もなお古い街並みが残っており、旧木下家住宅「堺屋」や、九州最古の茶商「矢部屋許斐本家」を訪ねることもできます。
事前予約制(有料)で、製茶会社の見学ツアーやお茶染め体験、日本酒のテイスティングなどに参加できます。
夕食後は、酒造喜多屋の日本酒を入れた檜風呂に浸かって旅の疲れを癒しました。

矢部屋許斐本家 煎茶 霧
八女茶を旅する
ホテルから車で約20分の場所には八女中央大茶園が、約1時間の場所には茶の文化館があります。
八女中央大茶園では、ゆるやかな丘陵地に約70ヘクタールの茶畑が広がっており、自由に見学することができます。
茶の文化館では、八女茶(煎茶・玉露・和紅茶など)をはじめ、八女茶を使ったコーラなどの関連商品が販売されています。また、館内のレストランでは、八女茶そばセットや茶葉入りのかき揚げなど、地元ならではの味を楽しむことができます。

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参照:NIPPONIA HOTEL 八女福島商家町(福岡県)
https://www.yame-fukushimastay.com/


