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ホテル ヘリタンスティー ファクトリー Heritance Tea Factory (スリランカ ヌワラエリア)

CHAMART

植民寺時代の製茶工場を改装したホテル
ヘリタンスティーファクトリーは、1879年に建てられた紅茶工場をホテルに改装した、重厚感のあるクラッシックなホテルです。
このホテルは、ヌワラエリア郊外の茶畑に囲まれた茶畑の丘の上にあります。ホテル滞在中は、他に観光は行かずホテルでのんびりと過ごすことをお勧めします。

ヘリタンス ティー ファクトリー (2019年12月)

ロビーでウェルカムティー
ホテル正面のドアを開けると、ホテル内部は外観からは想像がつかないような重厚で温かい空間が広がっています。
ゲストは、スタッフの笑顔とウェルカムドリンクの紅茶と共に迎えられます。

ホテルロビー (2019年12月)

ホテル各所に展示されている工場時代の鉄製の備品、剥き出しの鉄製のフレームや柱が、長い時の経過を感じさせる木製の床や手すり、窓枠と上手く融合し、ヘリタンスティーファクトリー独特の雰囲気を醸し出しています。

ホテルロビー (2019年12月)

ロビーには、茶葉の重さを測る天秤、スリランカの紅茶の歴史がわかる古い本、写真や説明文などが展示されていました。

写真の左端の肖像は、スリランカの紅茶産業の礎を築いたスコットランド人「ジェームス・テイラー」。

ホテルロビー (2019年12月)

筆者がホテルを訪問したのが12月だったため、茶葉を使ったアドベントカレンダーが飾ってありました。

アドベントカレンダー (2019年12月)

ホテル1階のロビーには、ショップ、お酒を提供するバー、そして紅茶専門のバーも併設されています。紅茶専門のバーの奥にはビリヤードがあります。

紅茶専門のバーとお酒のバー (2019年12月)

巨大な発電機とファン
工場時代に使われていた地下の発電機と4階のファンは、今もホテルに残されています。紅茶を製造していた当時、ファンを回して風を送り工場内の温度調節をしていました。

工場の空調として使用されていたファン (2019年12月)

発電機 (2019年12月)

エレベーター
2階から上の階が客室になっており、階段またはエレベーターで上がります。
手動でドアを開閉する工場時代のエレベーターは、現在も使われており、このエレベーターに乗ると工場だった頃にタイムスリップしそうです。

エレベーター (2019年12月)

ホテル5階から見下ろしたホテル (2019年12月)

客室
室内は全体的にえんじ色でまとめられており、クッションの緑色が差し色となり、紅茶とお茶の木を連想させます。木製の窓枠やベッドのフレームなどが木製のため、温もりが感じられる部屋の造りになっています。
湯沸器、紅茶、茶器が用意されており、室内で紅茶をいただくことができます。
また、ボディーソープの容器がティーポット型になっており、細部に渡り紅茶工場のホテルであることを演出しています。

スタンダードルーム (2019年12月)

アフタヌーンティー
ロビーでは、イギリス式のアフタヌーンティーをいただくことができます。
スコーン、紅茶の茶葉入りのパウンドケーキ、チョコレートクッキー、サンドイッチの他に、サモサ、カレー味のドーナツや魚のすり身のフライなどスリランカのスナックもあり、アフタヌーンティーだけでお腹がいっぱいになります。

アフタヌーンティー (2019年12月)

茶葉を使ったディナー
ホテルのレストランでは朝食と夕食にビュッフェを提供しています。夕食は、茶葉を使ったコース料理もあります。
茶葉を使ったコース料理では、紅茶の茶葉が入ったパン、そして前菜、スープ、メイン、デザートをそれぞれ2〜3種類から選ぶことができます。
筆者は、前菜はスモークチキンお茶ビネグレットソース添え、スープはカリフラワーと茶葉のクリームスープ、メインは地元の野菜のバターフライとクミンライスお茶と生姜のソース添え、デザートは季節のベリーと紅茶ムースをいただきました。

茶葉を使ったコース料理 (2019年12月)

Smoked Chicken Salad with Tea Vinaigrette
Cream of Cauliflower & Tea Soup
Batter Fried Up Country Vegetable & Cumin Rice with Tea Ginger Sauce
Tea Mousse In Tulip with Seasonal Berries

列車レストラン
昔は、ヌワラエリアから鉄道で紅茶を輸送していました。
ホテルの裏側の庭には、この鉄道の車両TCK6685が設置され、レストランとして使われています。ホテルのサイトによると、その当時使っていた車両を改修しているそうです。この列車レストランの食事はコース料理のみで、ホテル内部にあるレストランより料金は高めで、事前予約が必要です。
筆者は列車レストランで夕食は食べませんでしたが、写真を撮らせてもらいました。

レストラン TCK6685 (2019年12月)

お茶体験
ホテルの敷地内には紅茶工場があります。この工場内の製茶機械は、通常のものよりも小さいため、ホテルではマイクロファクトリーと呼ばれています。ここでは、マイクロファクトリーツアー、お茶摘み、ティーテイスティングなどのお茶体験ができます(有料・要予約)。

ヘリタンスティーファクトリー 茶園 (2019年12月)

希望すればスリランカの民族衣装を着用し、お茶摘みをすることができます。男性はサロンと呼ばれる腰巻、女性はサリーを着ることができます。

サリーを着てお茶摘み体験 (2019年12月)

マイクロティーファクトリーとティーテイスティングの講師は、78歳の元ティーブレンダーのナダさんが務めます

講師の78歳の元ティーブレンダーのナダさん (2019年12月)

スパ
ホテル内にはスパがあります。スパでは、お茶の成分が入った美容液を用いたフェイシャルや全身マッサージなどを受けることができます。

ホテル内のスパ (2019年12月)

庭園とホテル周辺の茶畑散策
ホテルには、管理の行き届いた美しい庭園があり、ホテルの周囲は茶畑に囲まれています。筆者は、早起きして茶畑の丘から登る朝日を見ることができました。

庭園 (2019年12月)

ヘリタンス ティーファクトリー周辺の茶畑 (2019年12月)

茶畑の中に茶園労働者のものと思われる家が点在しており、朝、散歩をしている時にはお茶摘みの女性に出会いました。家の外観とお茶摘みの女性から想像する茶園労働者の生活状況は、決して楽ではないようにと感じました。

茶畑と茶園労働者と思われる家々 (2019年12月)

ホテル周辺の散策は問題ありませんが、少し離れた場所には時々野生動物が現れるので、一人であまり遠くへ行かないようにと言われました。

ヘリタンスティーファクトリーへの行き方
ヌワラエリア駅からホテルへは車で約30〜40分です。ホテルへ行く道は二つあります。
筆者はコロンボ空港からツーリストタクシーをハイヤーしていました。ホテルに行く時、雨のため道の路肩が崩れ通れませんでした。ツーリストタクシーのドライバーは道が二つあることを知らず「引き返して他のホテルに泊まろう」と言いましたが、ホテルに電話をして別の道を教えてもらい、無事ホテルに到着することができました。
ホテルまでの道が土砂で通れなくなると、ホテルのスタッフが土砂を片付け翌日には通れるようになるそうです。

ホテルのスタッフにより土砂が片づけられた道 (2019年12月)

ツーリストタクシー
コロンボからキャンディやヌワラエリアまでは鉄道で行けますが、時間がかかります。
筆者は滞在日数が限られていたこともあり、コロンボ空港でツーリストタクシーをハイヤーしました。鉄道料金と比較すると、ツーリストタクシーの料金はかなり高くなります。
空港には数社のツーリストタクシーの会社のカウンターがあり、客引きも多いです。まずは、いくつかの会社に、旅行のスケジュールを説明し、料金を聞き相場を調べます。そして、良いと思った相手と料金を交渉して、どのツーリストタクシーを使うかを決めました。
4日間ハイヤーするため、ドライバーの宿泊場所や宿泊費はどうしたら良いか聞いたところ、ほとんどのホテルが、ツーリストタクシードライバーにベッドと食事を無料で提供するため心配不要と言われました。
筆者がお願いしたツーリストタクシーのドライバーはガイドと英語とシンハラ語の通訳
も兼用してくれました。おかげで、スリランカについていろいろ教えてもらうことができました。

タクシードライバーのためのベッドルーム (2019年12月)

住所:Kandapola, Nuwara Eliya, Sri Lanka.
Heritance Tea Factoryサイト:
https://www.heritancehotels.com/teafactory/

本記事は2019年12月訪問時の情報を中心に執筆しています。料金、車でのアクセスなどその他の情報、最新情報等は、Heritance Tea Factoryのサイトでご確認下さい。

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