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茶産地:入間市、所沢市、狭山市、秩父郡
銘柄:狭山茶、川越茶、秩父茶など
お茶の種類:煎茶(普通蒸し、深蒸し)、碾茶、玉露、抹茶、かぶせ茶、玄米茶、茎茶、ほうじ茶、番茶、紅茶、粉茶、フレーバーティーなど
狭山丘陵を中心とする武蔵野台地で栽培されるお茶
埼玉県は関東地方の銘茶の産地です。入間市、所沢市、狭山市の武蔵野台地や秩父地方でお茶が栽培されています。以前は各地域によりお茶の銘柄が違いましたが、現在は狭山茶に統一されています。狭山茶のお茶農家は栽培、製造、販売まで一貫して行う「自園・自製・自販」が多いのが特徴です。
武蔵野台地は火山灰が積もってできた赤土の層で水はけが良く、お茶の栽培に適しています。入間市内の桜山台展望台からは、武蔵野台地北西部の金子台に広がる茶畑を眺めることができます。
狭山火入れ
狭山茶の葉は肉厚で、煎茶(主に深蒸し)は濃厚でコクがあります。狭山茶は、製茶の仕上げ工程で、狭山火入れと呼ばれる、低温で時間をかけて火入れをします。これにより狭山茶独特の香ばしさが出ます。
狭山茶の歴史
古い文献には、武蔵国の名茶として河越茶と慈光茶のことが記載されています。
川越茶の発祥の地は川越市にあった無量寿寺(むりょうじゅじ)で、このお寺は830年に武蔵川越に僧侶最長の弟子の円仁(慈覚大師)が建立したと伝えられています。
室町時代の文献には、慈光茶について記載されており、ときがわ町にある慈光寺で作られていたと伝えられています。その後、戦乱により茶産地は荒廃しました。
江戸時代後期の1800年代になり、狭山丘陵でお茶が作られるようになりました。明治時代初めから昭和の初めにかけて、狭山茶はアメリカに輸出されていました。
製茶機械の発明者、高林謙三
日本の近代茶業の父と称される高林謙三は、天保3年(1832)に武蔵国高麗郡平沢村(現埼玉県日高市北平沢)で生まれました。
謙三は医者になりましたが、茶園を経営するようになり、手揉みでお茶を作ることが重労働であり、大量生産できないことを知ります。そして謙三は製茶機械の発明を考えるようになり、ほうじ茶を作る焙茶(ほうちゃ)機械、生茶葉蒸機械、お茶の葉につやを出す製茶摩擦機械を発明しました。
明治19年(1886)に、謙三は蒸しから乾燥まで一貫して行う「自立軒製茶機械」を発明し、販売をはじめました。しかし、この機械は使い手によってお茶の出来不出来があり失敗に終わりました。その後も、謙三は苦労を重ねながらも決して諦めることなく、明治29年(1896)に粗揉機を完成させました。
入間市博物館ALIT(アリット) 「茶の世界」
入間市博物館ALITの常設展示室には、「茶の世界」のコーナーがあります。
「茶の世界」の展示コーナーでは、狭山茶、日本茶そして世界のお茶に関する展示物が多数あります。お茶の歴史、文化、習俗、製法、入間の茶業史などについて学ぶことができます。
博物館の敷地内のレストラン「茶処一煎」では、狭山茶を使った料理やスイーツがいただけます。
お茶香る狭山茶マラソン
筆者(CHAMART)は、2019年6月に稲荷山公園で開催された「第7回 お茶香る狭山茶マラソン」の6キロコースに参加しました。6キロ、12キロ、親子で走れる1.2キロのコース、2から4名で1チームで走るコースがありました。稲荷山公園内を走ります。茶畑を眺めながら走るわけではありません。会場では、冷たい狭山茶が参加者に無料で提供されました。
本記事で紹介しているお店や施設を訪問される場合は、事前にお店や施設のサイト等で営業時間をご確認ください。またイベント等についてもそのイベントのサイト等で実施状況をご確認下さい。コロナ感染拡大の影響により予約が必要な場合や休業、中止している場合があります。
サイト内関連記事「日本のお茶の生産状況」「博物館・公園 入間市博物館ALIT」
お茶関連施設:
入間博物館ALIT(アリット)
https://www.alit.city.iruma.saitama.jp
入間市 http://www.city.iruma.saitama.jp
桜山展望台
http://www.city.iruma.saitama.jp/shisetsu/shisetsu_others/shisetsu_others06.html
お茶のゆるキャラ:
いるティー (入間市)
ちゃつみん (入間ケーブルテレビ株式会社)
焼き物:飯能(はんのう)焼
参照:
入間市博物館ALIT(アリット) https://www.alit.city.iruma.saitama.jp
埼玉県 お茶のページ www.pref.saitama.lg.jp/a0904/chagyou-top.html
入間市観光協会 http://iruma-kanko.jp
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
青木雅子 (1994) みどりのしずくを求めて–製茶機械の父、高林謙三– (第1刷) けやき書房
#狭山茶 #さやま茶 #アリット #入間市博物館ALIT #高林謙三
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*当サイトのコンテンツは、「日本のお茶」と「世界のお茶」の全てについて記載しているわけではありません。また、各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなどが表現されています。