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東海エリア 静岡県

茶産地: 浜松市、掛川市、磐田市、袋井市、森町、菊川市、牧之原市、御前崎市、島田市
銘柄:浜松茶、春野の茶、天竜茶、掛川茶、東山茶、五明茶、菊川茶、袋井茶、遠州森のお茶、牧之原茶、御前崎茶、島田茶、金谷茶など
お茶の種類:煎茶(主に深蒸し)、ほうじ茶、玄米茶、碾茶、抹茶、かぶせ茶、玉露、番茶、粉末茶、粉茶、白葉茶、紅茶、烏龍茶、白茶、フレーバーティーなど

お茶栽培に適した気候
静岡県は温暖な気候で河川が多く霧が発生し、お茶の栽培に適しており、静岡県のほぼ全域でお茶を栽培しています。
静岡県西部および牧之原台地一帯には、数多くの茶産地があります。牧之原市、島田市、菊川市にまたがる牧之原台地には大茶園が広がっています。牧之原台地、小笠山周辺、粟ヶ岳、磐田原台地一帯では主に深蒸し茶が作られています。
浜松市の天竜川上流の山間地は、霧が発生するお茶の栽培に適した地域で、主に普通蒸し煎茶を作っています。

浜松市天竜区春野町の茶畑 (2021年4月)

明治維新と牧之原台地の大茶園
牧之原台地の開拓と茶園作りは、明治維新により職を失った旧幕臣らの救済支援として始まりました。明治2年(1869)に、約300人の旧幕臣とその家族が入植しました。旧幕臣らの家が建つまでは、地元の民家に寝泊まりをしていました。その後も、旧幕臣らの入植は続きました。
その2年後の明治4年(1871)には、大井川の川越制度廃止により職を失った川越人足ら約100人が入植し茶園作りを始めました。
旧幕臣と元川越人足らがお茶の栽培を始めたのを見て、地元の農民たちも開墾を始め、茶園は増えていきました。その後、慣れない農作業と開墾の重労働に耐えかね去っていく旧幕臣らは多くいました。

牧之原台地に広がる大茶園(2019年5月)
世界お茶まつり 茶畑ウォーキング
大井上水道企業団牧之原配水池の上から

深蒸し茶のはじまり
どこでいつ深蒸し茶が作られるようになったのかは諸説あります。昭和30年〜40年代(1955〜1965)に、牧之原台地の茶園で深蒸し茶の製法が確立し、各地にこの製法が普及していきました。

菊川市の茶畑 (2019年9月)

牧之原台地で作られたお茶は、日照時間が長いため、お茶の葉が肉厚で、苦味と渋味が強い味のお茶でした。苦味と渋味を少なくするために、お茶の葉を蒸す時間を長くしたのが深蒸し茶です。煎茶の普通蒸し時間は約30〜50秒ですが、深蒸し製法は約60〜120秒以上です。長く蒸すことでお茶の葉は細かくなり、お茶を淹れた時の水色は深緑色で、苦味が少なくほのかな甘味があります。
また新しい取り組みとして、数年前から袋井市のお茶農家は、茶摘みの約2週間前に茶園を被覆し90%以上の遮光する白葉茶を作っています。

普通蒸し煎茶と深蒸し茶

世界農業遺産「静岡の茶草場農法」
茶草場農法は、長年静岡県で特徴的に実施されている農法で、茶畑周辺に生えているススキやササなどを刈り乾燥させ細かく切断し、茶の木と茶の木の間のうね間に敷く伝統農法です。茶畑周辺のススキやササの刈り取り場を茶草場(半分自然草地)と呼び、うね間に敷く草を茶草と呼びます。
ススキやササなど背丈の高い草を刈ることで、小さな動植物は太陽の光を浴び生き続けることができ、茶畑周辺の豊かな自然が守られています。うね間に敷いた茶草は、土の流出を防ぎ雑草を生えにくくします。そして時間をかけて堆肥になります。
茶草場農法は、人間と自然が調和する循環型農業です。

静岡県掛川市 茶草を運ぶ生産者 (2020年11月)

静岡県掛川市、島田市、川根本町、菊川市、牧之原市の「静岡の茶草場農法」は2013年に世界農業遺産に認定されました。茶草場農法は敷き草と呼ばれ、4市1町以外の静岡県や他県でも行われています。 急斜面でのススキやササの刈り取りなど茶草場農法の一連の作業は、生産者にとっては大変な作業です。
市場の茶葉の価格の変動、生産者の高齢化、後継者不足などにより、生産者が茶草場農法を継続するのは簡単なことではありません。消費者が茶草場農法のお茶を購入することで、生産者を支えそれが茶草場農法の継続、ひいては茶畑の周辺の豊かな自然を守ります。

お茶の施設がいっぱい!
掛川市の粟ヶ岳の茶文字、島田市のふじのくに茶の都ミュージアムや緑茶・農業・観光の体験型フードパークKADODE OOIGAWA、袋井市浅羽支所にある袋井市茶文化資料館、浜松市舘山寺にはお茶をテーマにしたホテル、お茶スイーツがいただける日本茶カフェなどお茶の関連施設が多数あります。

ふじのくに茶の都ミュージアム(2019年11月)

KADODE OOIGAWA緑茶水道 蛇口をひねると緑茶(2020年12月)

掛川・新茶マラソン
2006年から、毎年4月には掛川・新茶マラソン (主催:掛川・新茶マラソン実行委員会) が開催されています。
1キロからフルマラソンまで6種類のコースがあります。スタートとゴール地点では、掛川茶が振る舞われます。フルマラソンでは、美しい茶畑を眺めながら走ることができます 。
2020と2021年はコロナウィルス感染拡大のため中止になりました。また2022年も中止が決定しました。

2019年掛川新茶マラソン

サイト内関連記事
日本のお茶の生産状況
日本のお茶 静岡県中部と東部
お茶に関する世界農業遺産 静岡の茶草場農法
ふじのくに茶の都ミュージアム
KADODE OOIGAWA

お茶関連施設・イベント:
ふじのくに茶の都ミュージアム https://tea-museum.jp
東山いっぷく処 http://www.higashiyamacha.jp/index.html
かっぽしテラス(粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス)
https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kanko/spot-list/12456.html

袋井市茶文化資料館 https://fukuroi-tyabunkashiryokan.jp
茶ピア https://jaenchu.ja-shizuoka.or.jp/business/other/chapia/
グリンピア牧之原 http://www.grinpia.com
緑茶・農業・観光の体験型フードパークKADODE OOIGAWA https://kadode-ooigawa.jp
中條金之助景昭の像 http://www.shimada-ta.jp/tourist/tourist_detail.php?id=147
星野リゾート界 遠州 https://www.hoshinoresorts.com/resortsandhotels/kai/enshu.html
掛川・新茶マラソン https://kakegawa-shincha.jp

*コロナウィルス感染状況によりイベントは中止になる可能性もあります。イベント情報は主催者にご確認ください。

お茶のゆるキャラ:
ちゃのみやきんじろう(掛川市)、えい茶くん(島田市)、おしまちゃん(島田市商工会)、きくのん(菊川市)、チャーフィン(牧之原市)

写真左と真ん中:ちゃのみやきんじろうの貯金箱
写真右:第66回全国お茶まつり静岡大会in掛川に来たちゃのみやきんじろう

焼き物:志戸呂焼、森山焼

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
高野實・谷本陽蔵・富田勲・中川致之・岩浅潔・寺本益英・山田新市 (2005) 緑茶の事典 (改訂3版) 柴田書店
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 初版第一刷 朝倉書店
世界農業遺産静岡の茶草場農法 https://www.chagusaba.jp
大石貞男(昭和56年) –明治維新と茶業– 牧之原開拓史考(再版) 静岡県茶業会議所
丸尾記念館 牧之原開拓150周年記念企画展「丸尾文六による牧之原開拓の概要」
栗林沢一(昭和59年) 牧之原今昔 御前崎町郷土史研究会 ユートピア写植印刷

#世界農業遺産 #茶文字 #茶草場農法 #静岡の茶草場農法 #深蒸し茶 #牧之原台地 

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