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お茶の歴史

日本のお茶の歴史1「8世紀」

日本のお茶の歴史1「8世紀」

奈良時代(710-794)
8から9世紀頃、中国から日本にお茶が伝わったと考えられています。
荼(タ・ダ・になが )と書かれた奈良時代の木簡が発見されています。
室町時代に一条兼良(1402-81)が、宮廷行事の由来について著した「公事根源(くじこんげん)」には、天平元年(729)に内裏で引茶の儀が行われたという記載があります。引茶とは、春二月と秋八月に行われた季御読経(きのみどっきょう)の時に、お茶を出す仏教行事でした。
平安時代の歌人・藤原清輔(1104-77)が著した歌学書「奥儀妙(おうぎしょう)」には、天平6年(734)の引茶の記載があります。
「東大寺要録」によると天平の時代(729-784)には、「行基が諸国に堂者を建立すること四十九箇所、これに茶木を植えた」という記載があります。
奈良時代の木簡に書かれた荼がお茶を意味するのか、そして奈良時代にお茶が飲まれていたかは、まだ明確にはわかっていません。

注:お茶は植物としては「チャの木」または「チャ」とカタカナで表記されます。「チャ」はツバキ科の常緑樹で学名はCamellia sinensis (L.) O.Kuntzeです。
本サイトではカタカナは使わず「お茶の木」「お茶」と表記しています。

参考文献:
松崎芳郎著(1992) 年表茶の世界史(初版) 八坂書房
社団法人農山漁村文化協会編集(2008) 茶大百科 I歴史・文化/品質・機能性/品種/製茶(第1刷) 社団法人農山漁村文化協会
大森正司 ・阿南豊正 ・伊勢村護 ・加藤みゆき ・滝口明子 ・中村羊一郎編(2017) 茶の事典 (初版) 朝倉書店
高野實、谷本陽蔵、富田勲、中川致之、岩浅潔、寺元益英、山田新市 執筆 (社)日本茶業中央会監修 (2005) 緑茶の事典 改定3版 柴田書店
橋本素子著(平成28年) 日本茶の歴史 (茶道教養講座) (初版) 淡交社
五味文彦・鳥海靖編(2010) もういちど読む山川日本史(第1版) 山川出版社
「世界の歴史」編集委員会編(2009) もういちど読む山川世界史(第1版) 山川出版社

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