MENU

関西エリア 京都府

産地:宇治市、宇治田原町、八幡市、京田辺市、久御山町、城陽市、井手町、木津川市、和束町、笠置町、南山城町
銘柄:宇治茶、宇治田原茶、和束茶、宇治玉露、田辺玉露、両丹玉露、両丹茶、綾部茶、京番茶
お茶の種類:煎茶(主に普通蒸し)、碾茶、抹茶、玉露、茎茶、芽茶、番茶、紅茶、フレーバーティーなど

歴史とお茶のまち京都
京都のお茶の歴史は古く、また宇治は日本の茶業の出発点と言えます。京都にはお茶にゆかりのある寺院や歴史的な建造物や施設が多数あります。京都は抹茶や煎茶を飲んで、食べて、見て、体験し、思う存分楽しめる場所です。

栂尾山高山寺の茶園
臨済宗の開祖・栄西(ようさい/えいさい)禅師(1141-1215)は、2度宋(中国)へ渡り禅を学びました。栄西は、1191年に二度目の帰国をしました。栄西は九州、鎌倉を訪れ、そして京都へ上り臨済宗布教の拠点となる建仁寺が建立されました。栂尾にいた明恵上人(1173-1232)は、建仁寺の栄西禅師を訪ね、宋の仏教や茶の話を聞き宋から持ち帰った茶の実を譲り受けました。
明恵がその茶の実を植えたという茶園が栂尾山高山寺(とがのおさんこうさんじ)にあります。高山寺のお茶の木になった実は、明恵によって宇治、大和、伊勢、駿河、武蔵などへと伝えられていきました。
栂尾のお茶を本茶と呼び、それ以外のお茶は非茶と呼ばれるようになりました。
また、明恵上人の説いたお茶の効用「茶十徳」も広がって行きました。

栂尾山高山寺(2018年10月)

栂尾山高山寺 茶園(2018年10月)

お茶の十徳
明恵上人の「お茶の十徳」は、お茶を飲めば心や身体に十の徳があるという「一. 者諸天加護、二. 者五臓調和、三. 者孝養父母、四. 者煩悩消除、五. 者壽命長遠、六. 者睡眠自除、七. 者息災延命、八. 者天神随心、九. 者諸天加護、十. 者臨終不乱」を説いています。

宇治の抹茶
栄西禅師が宋に滞在していた時、宋ではお茶の葉を茶臼や薬研で挽き砕き粉末にしたものにお湯を加え、攪拌して飲む「抹茶法」が流行していました。栄西禅師は「抹茶法」を日本に伝えました。
宇治にお茶が伝わり、土地や気候がお茶の栽培に適していたことから、宇治のお茶の栽培が盛んになり、主に抹茶が作られるようになりました。
京都・宇治には抹茶体験をできる施設や抹茶を使ったスイーツやドリンクをいただけるお店が多数あります。

上林春松本店抹茶と和菓子(2019年5月)

抹茶は、碾(てん)茶を石臼などで挽いて細かい粒子の粉末状にしたものです。碾茶は玉露茶園と同様に、新葉の摘み取り前の約3週間、寒冷紗と呼ばれる黒色の被覆材、葦(よし)で編んだよしずや稲わらで編んだこもで茶園全体を覆います。茶園を被覆材で覆い日光を遮断することで、茶葉の苦味成分であるカテキン類の増加が抑えられ、うま味成分のアミノ酸が多くなります。

永谷宗円による蒸し製緑茶の発明
1783年に宇治田原の篤農家・永谷宗円(1681-1778)が茶葉を蒸して揉む「青製煎茶製法」を発明し、日本の緑茶が生まれました。摘み取った新芽を蒸して冷却し、ほい炉の上で手で揉み、火力で乾燥させます。これにより出来上がりのお茶の水色は青味がかった緑色になり、青製と呼ばれるようになりました。このお茶が現在の煎茶の始まりです。
抹茶は茶葉を蒸した後、乾燥します。その一方で煎茶は蒸した後、茶葉を揉むことでお茶の成分が浸出しやすくなり香りも良くなります。この製法が開発されるまでのお茶は、煮製か釜炒り製で日干しをした黒製と呼ばれていました。
宇治田原町には、昭和35年(1960)に再建された永谷宗円の生家があります。内部には、製茶に使われたほい炉跡が保存されています。

永谷宗円肖像画(2018年10月)

「青製煎茶製法」が開発されるまでは、お茶は抹茶製法が基本で一部の特権階級の人々しか飲むことができませんでした。しかし、永谷宗円の発明した煎茶はより多くの庶民も飲むことができるようになりました。そのため、永谷宗円は日本緑茶の祖と呼ばれています。

永谷宗円生家 永谷宗円の肖像画 (2018年10月)

永谷宗円生家の製茶に使われた焙炉(ほいろ)跡(2018年10月)

玉露の誕生
宇治玉露は、八女玉露、朝比奈玉露に並ぶ三大玉露の一つです。
宇治で16世紀末・安土桃山時代に茶園を被覆する覆下栽培が始まり、江戸時代に玉露の製法が考案されました。諸説ありますが、1835年に江戸の茶商山本嘉兵衛が宇治の茶園で玉露の製法を考案したと伝えられています。

木版画 被覆茶園 作者不明(CHAMART所蔵)

宇治では玉露茶園を、よしずと呼ばれる葦(よし)で編んだすだれや、寒冷紗と呼ばれる黒い被覆材で、茶葉を摘み取る前の約3週間以上被覆します。以前は、よしず作りには、琵琶湖などで採れた葦がよく使われていました。玉露は手摘みによる新芽のみを使い製茶します。玉露の葉はとてもやわらかく、お茶を淹れた後、茶殻はポン酢やお醤油などを付けて食べることができます。

宇治の玉露
福寿園CHA遊学 玉露体験(2018年10月)

京番茶
宇治地方で作られる京番茶は、玉露や碾茶用の芽を摘み取った後に残る葉を刈り取り、釜炒り製法で作っていました。現在は、釜炒りではなく蒸してから揉まずに焙じます。京番茶独特の強い焙煎香とほのかな酸味があります。

京番茶

日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」
京都府南部の山城地域(宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、宇治田原町、木津川市、和束町、南山城村)の茶畑や茶園などの景観や日本茶を構成する文化財が「日本茶800年の歴史散歩」として日本遺産に認定されています。

日本遺産に認定された京都府和束町の石寺の茶畑(2018年10月)

隠元禅師と普茶(ふちゃ)料理
宇治市にある黄檗宗大本山の寺院「萬福寺」は、1661年に中国の僧侶・隠元禅師(1592-1673)によって開創されました。
隠元禅師は、中国から日本の急須の原型となる中国宜興製の紫泥大茶罐(しでいだいちゃかん)を持参しました。
また、中国の精進料理「普茶料理」も日本に伝えました。普茶とは普く(あまねく)大衆と茶を供にする」という意味です。萬福寺では、事前予約制で、「普茶料理」をいただくことができます。

黄檗宗大本山萬福寺 普茶弁当(2019年5月)

お茶ツーリズム
宇治市のゲストハウス茶願寿邸や和束町の京都和束荘などお茶をテーマにした宿があります。茶願寿邸では抹茶体験ができます。京都和束荘の周囲には茶畑が広がり、和束茶を使った夕食やお茶風呂など和束茶を堪能できます。

和束荘のお茶がテーマの夕食とお茶のビールCHABEER(2018年10月)

福寿園 CHA遊学パーク
木津川市には、福寿園が運営するお茶について学び・体験できる「福寿園CHA遊学パーク」があります。敷地内には、宇治茶を使ったスイーツがいただける宇治茶カフェ花茶人 by FUKUJUENがあります。

福寿園CHA遊学パーク(2018年10月)

福寿園CHA遊学パーク ほうじ茶作り体験(2018年10月)

宇治・上林記念館
上林春松家は江戸時代に幕府や諸国大名の御用をつとめた御茶師です。上林春松本店に隣接する宇治・上林記念館には、上林春松家に伝わるお茶に関する歴史的な資料や製茶道具が展示されています。
記念館に隣接する上林春松本直営小売店には、呈茶席があり抹茶がいただけます。

宇治・上林記念館(2019年5月)

お茶壺道中
お茶壺道中は、江戸時代、徳川幕府によって行われた、将軍家が使う宇治茶を茶壺に入れて江戸へ運ぶための搬送儀式です。お茶壺道中は、1613年に始まったと言われ、1866年に廃止されました。
毎年春になると、江戸から将軍家の茶壺が届き、お茶を茶壺に入れ江戸に運びます。お茶壺道中は数名で運んでいましたが、徐々に警護役人の人数が増え、17世紀後半から18世紀初めには、盛大になり10万石の大名行列に匹敵する程、格式が高く権威を持つようになりました。
しかし、お茶壺道中が通る際は、子どもたちの戸口の出入りや凧揚げ、屋根の置き石なども禁じられました。沿道の住民にとってお茶壺道中は負担大きいものでした。お茶壺道中が通る際の子どもたちの慌ただしい様子を唄ったのが童謡「ずいずいずっころばし」だと言われています。

宇治・上林記念館 御茶壺道中の茶壺(2019年5月)

宇治の抹茶グルメ
抹茶のパン、抹茶コロッケなど、宇治ではいろいろな抹茶グルメが楽しめます。

mogmog Bakery(モグモグベーカリー)の抹茶を使ったパン(2019年5月)
写真左上:茶壺 右上:緑茶デニッシュ
左下:抹茶のマフィン 右下:緑茶サンライズ

お肉の店はりよし 抹茶コロッケ(2019年5月)

荒茶:茶の生葉を製茶工場で一時加工したもの。荒茶を火入れなどの仕上げ加工をしたものがお茶の完成品。

サイトCHAMART内記事「本のお茶の生産状況」「お茶の種類 抹茶」「お茶の種類 煎茶 (普通蒸し)」「お茶の種類 京番茶」「博物館 & 公園 宇治・上林記念館 永谷宗円生家 福寿園CHA遊学パーク 宗円交遊庵やんたん

お茶関連施設:
栂尾山高山寺 https://kosanji.com
永谷宗円生家 https://ujitawara-kyoto.com/sightseeing/scenery/nagatanisouenseika/
黄檗宗萬福寺 https://www.obakusan.or.jp
福寿園 CHA遊学パークhttps://cha.fukujuen.com
上林春松本店 https://www.shunsho.co.jp
京都和束荘 https://wazukaso.com
茶願寿邸 https://www.chaganjutei.com
茶願寿 Cafe https://chaganju-cafe.owst.jp
mogmog Bakery(モグモグベーカリー) https://www.mogmog-b.com
宗円交遊庵やんたん http://www.town.ujitawara.kyoto.jp/0000001928.html
石寺の茶畑 https://wazukanko.com/event/石寺の茶畑/

お茶のゆるキャラ:
チャチャ王国おうじちゃま(京都府宇治市)
茶ッピー(宇治田原町)
茶茶ちゃん(京都府和束町)

ヤマサン キャラチャチャ王国のおうじちゃま(2019年5月)

和束町の自動販売機 茶茶ちゃん(2018年10月)

焼き物:京焼、清水焼、楽焼、朝日焼

参照:
松下智 (平成3年) 日本名茶紀行 (初版) 雄山閣出版
松下智 緑茶の世界ー日本茶と中国茶 雄山閣
橋本素子著(平成28年) 日本茶の歴史 (茶道教養講座) (初版) 淡交社
高野實・谷本陽蔵・富田勲・中川致之・岩浅潔・寺本益英・山田新市 (2005) 緑茶の事典 (改訂3版) 柴田書店
工藤佳治主編者(2007) 中国茶事典(初版) 勉誠出版
梶ようこ (2019) お茶壺道中 (KADOKAWA)
世界文化社 (2011年) 茶の湯 便利手帳③茶の湯基本用語集 (初版) 世界文化社
大森正司、阿南豊正、伊勢村護、加藤みゆき、滝口明子、中村羊一郎編(2017) 茶の事典 (初版) 朝倉書店
上林春松本店 https://www.shunsho.co.jp
宇治・上林記念館 https://www.shunsho.co.jp/facilities/#facilities04Sec
栂尾山高山寺(京都市)http://www.kosanji.com
福寿園 CHA遊学パークhttps://cha.fukujuen.com
京都和束荘(京都府相楽郡和束町)http://wazukaso.com
宗円交遊庵やんたん http://www.sk-yantan.com
日本遺産ポータルサイト https://japan-heritage.bunka.go.jp/
日本茶800年の歴史散歩 https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story009/

#宇治茶 #和束茶 #抹茶 #宇治玉露 #京番茶 #永谷宗円 #青製煎茶製法  #宗円交遊庵やんたん #玉露 #宇治抹茶 #石寺の茶畑 #京都宇治

*本記事でご紹介した情報が、変わっている場合があります。本記事に関して間違った情報、新しい情報、追加すべき情報などお気付きの点がありましたら、CHAMARTまでご連絡いただけると幸いです。
*当サイトのコンテンツは、「日本のお茶」と「世界のお茶」の全てについて記載しているわけではありません。また、各記事は、執筆者の個人的な経験や感じたことなどが表現されています。