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特集

松下智「茶の原産地を探るー5 ベトナムの茶」

お茶研究家・松下智氏による計7回に渡る「茶の原産地を探る」

第5回目  ベトナムの茶
ベトナムの茶は、中国との歴史的関わりを見ることになるが、茶にしぼってみると、ベトナムの伝統的嗜好料としては「ビンロー」が古くからあって、茶は近世になってからのものである。中国との関わりができてからも茶の飲用はなくて、中国からの「華僑」の進出と共に茶の飲用も伝えられたようである。
特に、ベトナムの構成民族は、自民族の伝統を守ってか、現在でも特に市街地外の人々には、現在でもビンローの習俗が残っている。ベトナム茶業の発展と共に、ビンローの習俗も茶へと変わるものと見ている。

ベトナムビンロー習俗 写真提供:松下智

隣接する「ラオス」もベトナム同様、ビンロー習俗が強い。茶については、ラオス民族の各種原住民には、ビンロー一辺倒の生活のようである。山間地には、ヤオ族など茶のある生活が日常となっている。

1. まえがき
2. 東南アジア・日本の茶
3. 韓国の茶
4. 中国の茶
5. ベトナムの茶
6. ミャンマー(ビルマ)の茶
7. アッサムのお茶 

お茶研究家 松下智
松下氏は60年以上、国内外の茶産地を訪ね、お茶の歴史・喫茶文化など研究を続けています。愛知大学で教授を務め、退官後もお茶の原産地の研究を続け2010年には調査のためラオスを訪問しました。「日本名茶紀行」(雄山閣出版)、「茶の民族誌」(雄山閣出版)、「茶の原産地紀行」(淡交社)、アッサム紅茶文化史 (生活文化史選書)など、松下氏のお茶に関する著書は多数あります。

松下智氏
袋井市茶文化資料館(2021年12月)

1930年 長野県生まれ
1970年 茶の文化振興のために社団法人「豊茗会」を設立
1998年 愛知大学国際コミュニケーション学部教授に就任
2003年 O-CHAパイオニア賞 受賞/学術研究大賞 受賞
2016年 茶道具類・研究資料を静岡県袋井市に寄贈
2019年 ふじのくに茶の都ミュージアム客員研究員
現在 ~ 松下コレクションを活かす会 名誉会長、袋井市茶文化資料館 名誉館長

現在、松下氏は袋井市茶文化資料館の名誉館長として土曜日に来館されています(来館されない日もあります)。袋井市茶文化資料館には松下氏がこれまでのお茶の調査・研究で収集した国内外の茶器、お茶、書籍、写真など約2千点が展示されています。
松下氏の来館日は静岡県袋井市茶文化資料館のサイトまたはFacebookでご確認下さい。

静岡県袋井市茶文化資料館 
https://fukuroi-tyabunkashiryokan.jp

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