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お茶の効用
茶は昔から効能豊かな仙薬だった!
本記事の執筆:
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センター センター長 特任教授
中村順行
お茶は中国西南部を起源とし、紀元前から飲まれてきました。神農伝説のなかでは毒消しの薬とされ、また1300年(A.D.760年)前に陸羽によって書かれた茶のバイブル「茶経」でも、鎮静効果、ストレスや体のだるさを解消する効能が記されています。
もちろん、中国の唐や宋の時代に日本から留学した僧侶たちも中国の茶に接し、日本に茶の作り方や飲み方などの文化を持ち帰り、当初は大変貴重な仙薬として僧侶や貴族などを始めとする特権階級を中心に広まったものと思われます。
栄西禅師(1141~1215)により著された「喫茶養生記」にも、書き出しに「茶は養生の仙薬であり、人の寿命を延ばす妙術」とあり、「お茶を飲む人は長命である」と、茶の素晴らしさ、効能が記され、茶の普及に貢献しています。
また、ヨ-ロッパにお茶が持ち込まれたときにも、その効能が前面に出され、医薬的な効果として頭痛・結石・水腫や脂肪をとる。その他、壊血病、眠気、健忘症、下痢、結核予防、食あたり防止などなど数多くの効能が取り上げられ、どんな医者も茶の効能を認めざるを得ないとまで激奨され、急速に人気を集め始めました。
しかし、茶は東洋の飲み物であり本当に健康に良いのか悪いのか? 輸入だけに頼る茶は国の経済にとってプラスかどうかなど、お茶を巡っての様々な論争が展開される紅茶論争として、さらにブームを引き起こしています。
このように、茶は飲み始めには効能豊かな仙薬として広まり、受け入れられ、だれでもが幅広く飲み続けられるようになるに従い、嗜好飲料として日常茶飯事に愛飲されるようになってきました。
この何気なく毎日飲んできたお茶に最近科学的なメスが入れられ、数多くのお茶の成分が健康に良い様々な効能をもたらし、「長寿の薬」「養生の仙薬」と言われてきたことが、科学的に解き明かされ、スーパーフードとして認知されてきています。
中村順行(なかむらよりゆき)
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センターセンター長 特任教授
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/tsc/index.html
受賞・表彰歴など
2016 日本茶業功績者表彰 茶の品種普及とポット育苗技術に対して
2015 O-CHA パイオニア賞 学術研究大賞 茶育種技術と品種開発について
2013 茶業技術功労賞 茶業技術の進展に対して
2013 杉山彦三郎技術賞 茶の品種育成に対して
2013 茶学術研究顕彰表彰 茶の品種改良とその増殖技術に対して
2006 博士号 学位取得 岐阜大学
チャの組織培養による大量増殖法とポット育苗技術に関する研究
2006 静岡県知事表彰 茶の新改植促進に貢献する育苗法の実用化
1991 茶業技術賞 第27号 日本茶業技術協会
チャの組織培養に関する研究について
1986 静岡県農林水産部長表彰
新品種おくひかりの育成について
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