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お茶の効用

茶の主要成分 カフェイン

茶の主要成分 カフェイン

本記事の執筆・資料提供:
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センター センター長 特任教授
中村順行

カフェイン
カフェインはアルカロイドの一種で、中枢神経を興奮させるなどの薬理作用を示しますが、麻薬作用はなく、この成分こそが茶を嗜好飲料として世界に広め、古くから愛飲させてきた最大の成分と考えられます。カフェインは絹糸状の白色結晶で苦味を感じ、茶の味にもかなり影響しているものと思われます。

カフェインを含む植物は、茶以外にも60種以上で報告されていますが、茶(2.5~5.5%)以外では、コーヒー(1~2%)、ココア(0.3%、テオブロミン1%)、コーラ(1~2%)、マテ茶(0.2~2%)などが嗜好飲料となっています。
概して、カフェインは茶の芽が若いほど、葉位別では芽に近い部分の葉ほど多く含まれています。そのため、若く柔らかい芽で作られるお茶ほどカフェイン含量が高くなります。また、カフェインは遮光栽培により増加するため、被覆した柔らかい芽で作られる玉露には特に多く含まれています。

氷で淹れた玉露

カフェインには覚醒作用、強心作用、大脳の刺激、利尿作用などがあり、玉露や高級煎茶を飲むと興奮して眠れなくなることがあります。そこで、最近ではカフェインが熱湯で他の成分よりも溶けだし易い特性を利用して、カフェイン含量が少なくマイルドな低カフェイン茶も開発されています。

機能性を主体とした茶(生葉)成分とその特性
資料提供:中村順行

中村順行(なかむらよりゆき)
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センターセンター長 特任教授
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/tsc/index.html
受賞・表彰歴など
2016 日本茶業功績者表彰 茶の品種普及とポット育苗技術に対して
2015 O-CHA パイオニア賞 学術研究大賞 茶育種技術と品種開発について
2013 茶業技術功労賞  茶業技術の進展に対して
2013 杉山彦三郎技術賞  茶の品種育成に対して
2013 茶学術研究顕彰表彰  茶の品種改良とその増殖技術に対して
2006 博士号 学位取得  岐阜大学
チャの組織培養による大量増殖法とポット育苗技術に関する研究
2006 静岡県知事表彰  茶の新改植促進に貢献する育苗法の実用化
1991 茶業技術賞 第27号 日本茶業技術協会
チャの組織培養に関する研究について
1986 静岡県農林水産部長表彰
新品種おくひかりの育成について

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