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お茶の効用

茶の主要成分 ビタミン類

茶の主要成分 ビタミン類

本記事の執筆・資料提供:
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センター センター長 特任教授
中村順行

ビタミン類
茶には、体の中で過酸化脂質のできるのを抑え、発ガン防止や老化の抑制に効果のあるとされる各種のビタミン類が豊富に含まれ、その効能が再認識されています。

ビタミン類のなかには、ビタミンAやビタミンEのようにお茶の浸出液には溶け出さないため、お茶を食べてしまわなければ摂取できないもの。ビタミンCのように緑茶では多いが、発酵程度が進むに従い分解し、紅茶にはほとんど含まれていないもの。緑茶の高級品に多く、ほうじ茶、ウーロン茶や紅茶には非常に少ないビタミンUなど様々あります。

機能性的には、茶のビタミンAはカロテンに基づき、抗酸化、抗ガン作用のあるものですが、中国種はアッサム種に比べ含有量が多い傾向にあります。また、製造方法によってもカロテンの減少率は異なり、発酵を伴わない緑茶ではほとんど失われませんが、発酵程度が進んだお茶になるほどカロテン含量は少なくなります。

茶に含まれるビタミンB群は他の一般食品と比較しても豊富で、その種類は、B1、B2、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどが知られています。これらの中で、B1やB2は紅茶やウーロン茶に比べて緑茶で多く、緑茶の中では若い葉で作られたお茶ほど多く含くまれる傾向にあります。
ビタミンB群の欠乏症としては、脚気、神経炎、口角炎などが上げられています。ビタミンCの壊血病予防効果は良く知られていますが、茶のビタミンCには抗酸化作用、ストレス解消作用、風邪の予防効果などのほか、美容の点からも肌に弾力性を与え水分の減少を防ぎ、肌の色を黒くするメラニン色素の生成を抑制する効果も高いと言われています。
茶に含まれるビタミンCは、緑茶で多く、発酵茶で少なくなります。ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれ、抗酸化や老化抑制作用のあるものですが、茶葉中には野菜や果実に比べても圧倒的に多く、ホウレンソウの26倍にも匹敵する量が含まれていますが、お湯には溶け出さないため、抹茶や食べるお茶のように茶のすべてを摂取する必要があります。

機能性を主体とした茶(生葉)成分とその特性
資料提供:中村順行

中村順行(なかむらよりゆき)
静岡県立大学 食品栄養環境科学研究院 茶学総合研究センターセンター長 特任教授
https://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/tsc/index.html
受賞・表彰歴など
2016 日本茶業功績者表彰 茶の品種普及とポット育苗技術に対して
2015 O-CHA パイオニア賞 学術研究大賞 茶育種技術と品種開発について
2013 茶業技術功労賞  茶業技術の進展に対して
2013 杉山彦三郎技術賞  茶の品種育成に対して
2013 茶学術研究顕彰表彰  茶の品種改良とその増殖技術に対して
2006 博士号 学位取得  岐阜大学
チャの組織培養による大量増殖法とポット育苗技術に関する研究
2006 静岡県知事表彰  茶の新改植促進に貢献する育苗法の実用化
1991 茶業技術賞 第27号 日本茶業技術協会
チャの組織培養に関する研究について
1986 静岡県農林水産部長表彰
新品種おくひかりの育成について

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